清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

一寸の虫にも 五分の魂 三浦瑠麗

 三浦瑠麗さんが、2022年9月3日にテレビ朝日系列で放送された「朝まで生テレビ」で何かやらかしたようだけど*1、それは映像のリンクを貼ることで済ませておいて。

 

 その三浦瑠麗さんも、たまにはいいことを言うという気持ちを、タイトルの「一寸の虫にも 五分の魂」に込めてみた。筆者が用いた意味は本当の意味とちょっと違うが*2コトバンク「一寸の虫にも五分の魂」のリンクを貼るので、参考にしてほしい。

kotobank.jp

 

 その三浦さんのコメントは、2022年8月31日11時16分のツイートである。なお、11時16分のツイートは妥当と判断するが、その前のツイートについては賛成しないことをお断りしておく。

 

 特記するのは、

韓国へのバージョンアップした反感(中略)の焼け跡から何が生まれるかも予想していないらしい

(三浦瑠麗(@lullymiura)さんの、2022年8月31日11時16分のツイート)

のところ。

 

 日本の歴史上、韓国に限らず、朝鮮半島に何かがあると、「バージョンアップした反感」というのが散見されるからである。

 

 最近では、フジテレビ(関東地区のみ*3)が、平日の14時からの3時間を韓流ドラマの時間にしたところフジテレビデモが起こったというのがある。DPRK*4が拉致を認めた時に起こったとされるチマチョゴリ切り裂き*5朝鮮半島になぜか反感を持ちがちの日本人*6のことであるから、三浦さんの警句は、筆者が引用した部分に限っては当たっている。三浦さんが残念なのは、ズレていると思われる部分が多いことである。

*1:JapanPoliticsChanner(@JapanPoliticsC1)さんの、2022年9月3日12時51分のツイートに映像があるので、そのリンクを貼る。

https://twitter.com/JapanPoliticsC1/status/1565910299051339776

*2:「一寸の虫」の部分には、弱小の意味があるようだが、テレビで発言したりウェブでのコメントがニュースになる三浦さんが弱小のわけがないので。

*3:筆者在住の宮城県では1時間だったので(14時からのみ)、なぜフジテレビデモが起こるのかさっぱりわからなかった。

*4:朝鮮民主主義人民共和国。俗にいう「北朝鮮」。

*5:『ご臨終メディア‐質問しないマスコミと一人で考えない日本人』(森達也/森巣博集英社新書、2005)p.194の、森巣さんの発言。森巣さんは『世界』(岩波書店)に載っていた話を紹介しているが、筆者は『世界』について確認をしていないことをお断りしておく。

*6:「反感」とはズレるが、「朝鮮人が暴動を起こした」という発生当時真偽不明の(実際には存在しなかった。『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(加藤直樹、ころから、2019)をご一読。)情報を鵜呑みにして朝鮮人を探して殺したというのは有名な話である。

マイあさ!が ちょっと暴走 してるみたい

 最近、NHKラジオ第1で主に放送されている「マイあさ!」が、ちょっとおかしくなっているのではないか、という話。

 

 2022年8月22日7時25分から放送の「7時台 けさの"聞きたい"『いじめ加害者への対応』斎藤環」において、被害者と加害者、2人以上の教員やカウンセラーが参加する「オープンダイアローグ」を提唱したところ、「加害者と対話することが被害者にとって苦痛」だとか、「加害者やその仲間が怖い」といった、否定的評価が紹介されていた。斎藤さんは処罰のことも言っているし、自らがいじめられっ子だった経験もあるのだが*1。筆者のイメージでは、斎藤さんの説明は修復的司法に似ている印象を持ったが、被害者に強制するのであれば、たしかにまずいかもしれない。

 

 ただ、斎藤さんの話は、議論を巻き起こす、(不謹慎だが。いじめの話なので)面白い話だったのだが、2022年8月24日7時25分から放送された「7時台 けさの"聞きたい"『ウクライナ侵攻から半年』三好正人*2」は、以下に引用する発言がひどかった。

 

 私たち日本人は、かつて戦争で苦しんだ経験があります。

 

 え、ウクライナ共和国って、どこかに戦争でも仕掛けたのか?外国*3に行って軍事力でも行使したのか?そしてその報復としてロシアから攻撃を受けたのか?筆者の知る限り、そのどれもない。日本・日本人と一緒にしては失礼だと、頼まれもしないのにウクライナ人を勝手に代弁してしまった。

 

 斎藤さんが主張した、いじめの解決法としてのオープンダイアローグは、非難ごうごうでも議論を喚起するという点でいい話であるが、三好さんの発言は状況が違うものを一緒にして相当恥ずかしい内容である。

 

 タイトルでは「暴走」とした。「暴走」には、いいものと悪いものとがあるようだ。悪いほうの「暴走」は何とかしてほしいものである。

 

*1:『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』(医学書院、2021)をご一読ください。

*2:ウィキペディア「三好正人」をご一読。「マイあさ!」では「アナウンサー」と紹介されていた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%A5%BD%E6%AD%A3%E4%BA%BA

*3:この場合は、ロシア共和国。

リベラルと 言えば分かった 気になるか?

 本エントリーで取り上げるのは、『帝国の慰安婦』(朝日新聞出版)で一躍有名になった。朴裕河さんへのインタビュー記事である。毎日新聞・政治プレミア「日韓関係悪化の責任は両国のリベラルにもある」(2022年8月16日)

mainichi.jp

 

 なお、Yahoo!ニュースでも配信され、2022年8月28日現在で閲覧可能である。「朴裕河氏 日韓関係悪化の責任は両国のリベラルにもある」(2022年8月16日7時35分)

news.yahoo.co.jp

 

 勝手ながら、以下においては、毎日プレミアムの記事のみを検討する。ただし、無料部分のみの検討なので、趣旨を外している可能性があることを断っておく。

 

 日韓間の歴史問題が先鋭化したこの30年間を振り返ってみると、実は国家間の対立を導いてきたのは、両国の左右対立であり、さらに言うとリベラル層の中での考え方の相違だったことに気づかされる。

 

 なんで唐突に「リベラル層の中での考え方の総意」なんて書くの?無料部分のみの検討なので何とも言えないが、「リベラルが悪い!」と書くと受けるからやっているにすぎないと解釈していいかな。

 

 裁判は、どちらが正しいかについて争う勝ち負けだ。しかし、歴史認識を法廷で争うこと自体が間違いではないか。勝つためには、内容を誇張してしまいがちだからだ。

 

 もちろん、事件化には「内容を誇張してしまいがち」な側面があることは否定できない。しかし、だからと言って、歴史問題とされるものを裁判にするな、ということになると、被害の救済の手段がなくなってしまうのだが、それは問題ないのだろうか。

 

 運動に関わってきた歴史学者や法学者は、学問の前に、「こうあるべきだ」という政治的立場や組織を守る思考に陥っていたのではないか。

 

 「『こうあるべきだ』」の内容の問題だろう。「学問の前に、」被害は救済されるべきだ、というのは、人間社会として当たり前ではないだろうか。

 

 さらに元宗主国と元植民地という関係にとらわれすぎていたのではないか。これでは前進しないし、歴史に対しても不誠実だ。

 

 「歴史に対しても不誠実」とは、上記引用のことではない。筆者の調査不足の非難は甘受するが、例えば、どこの人が慰安婦とされたのかというデータを、仮に日本政府が持っていないのであれば不誠実なのであって、「元宗主国と元植民地という関係にとらわれすぎてい」るということではない。実際には、慰安婦にされた女性たちはいろいろな国にいるが、「元宗主国と元植民地」という関係を抜きにして語れるとも思えないが。『デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金』「日本軍の慰安所慰安婦」をご一読。

www.awf.or.jp

 

 もしかして朴裕河さんは、慰安婦問題の、現時点でわかっている全貌もわかっていないのではないだろうかと思わせるコメントであった。そして「リベラルが悪い!」ということによって、それが売れるであろう毎日新聞の目に留まったという風にしか見えない。

 

 肝心なのは、政治的立場ではない。事実なのである。そのことからすると、日韓関係悪化の責任は、日本政府のみにあると筆者は思っている。慰安婦については国際連合の機関の勧告*1に耳を傾け、徴用工問題*2では余計な介入をしないでもらいたい。

*1:当ブログで「慰安婦 勧告」で検索した結果のアドレスを示す。

https://kiyotaka-since1974.hatenablog.com/search?q=%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6%E3%80%80%E5%8B%A7%E5%91%8A

*2:当ブログで「徴用工」で検索しか結果のアドレスを示す。

https://kiyotaka-since1974.hatenablog.com/search?q=%E5%BE%B4%E7%94%A8%E5%B7%A5

MTVに ノミネートされた TWICEだ

 懲りずに(?)MTV VIDEO MUSIC AWARDSを取り上げてみるか。

 

 2022年のMTV VIDEO MUSIC AWARDS

https://www.mtv.com/vma/vote/best-new-artist

)が開催中の模様(2022年8月28日現在)。

 

 いろいろクリックしてもらえれば、現在の(おそらく)アメリカン・ポップスの流行がわかるものと思われる。

 

 それは(流行)音楽の好きな読者に任せるとして、当ブログでは、勝手ながら、K-POP部門について一言述べることにする。

 

 BEST K-POPのノミネート作品は以下の通り。

BTS "Yet To Come(The Most Beautiful Moment)"

ITZY ”LOCO”

LISA*1 "LALISA"

SEVENTEEN "HOT"

Stray Kids "MANIAC"

TWICE "The Feels"

 

 (どうせBTSだろ?)という声は置いておいて、JYPのアーティストが3組(ITZY,Stray Kids,TWICE)いるというのが特徴である。もちろん、HYBEが2組(BTS,SEVENTEEN)とBLACKPINKメンバーのソロがあることも承知している。

 

 どれがいいかは皆さんに任せるとして、TWICEがまた更にステージアップしているように見えるというのが、筆者が言いたかったことである。

 

 最後に、本エントリーに関係ある、当ブログの過去記事のリンクを示して終わりとする。

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

 


kiyotaka-since1974.hatenablog.com

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

 

*1:BLACKPINKのメンバー。

「いいかげんに 1000回」 高山正之よ 1000回じゃない 弓削高志もな(暫定版)

 ニッポン放送に、「ゴッドアフタヌーンアッコの いいかげんに1000回」という番組がある*1。聴いてもいないのに、また、それだけでも申し訳ないのに、タイトルまでパクって*2、本当に申し訳ありません。だって、後述する『週刊新潮』の高山正之さんの連載、「変見自在」が、2022年9月1日号で、本当に1000回なのですから。

 

 聴いてもいない(申し訳ない)ラジオ番組まで出してしまったが、本題。『週刊新潮』の高山正之さんの連載、「変見自在」#1000(第1000回。p.138。以下、ページ数を略す)は、事実に基づかずに時事評論をしているようなので、引用しつつ問題視してみたい。

 

 といっても、「新聞を支配する」というタイトルとあまり関係ない。すなわち、高山さんの文章の主旨は「産経新聞朝日新聞毛沢東支那*3の関係はジャンケンのグーチョキパーに似」ており、朝日新聞産経新聞より強いのは電通が絡んでいるという話である。

 

 その後、電通が2002年のサッカーワールドカップKOREA/JAPAN*4を仕切って日韓共催にしたのだが、そのことについて以下のような記述をしている。

 かくてW杯は共催になったが、韓国にはやはり無理だった。彼らは審判を買収し、対イタリア戦ではマルディーニの頭を蹴っても無罪にし*5トッティにはレッドカードを出させて韓国が勝ち進むという悪夢のW杯を演出した。

 -高山正之「変見自在 #1000 新聞を支配する」(『週刊新潮』2022年9月1日号)

 

 もし審判を買収したのであれば、大韓サッカー協会*6に何らかの制裁があると思われるが、寡聞にして聞いたことがない。

 

 実際はどうなのか。『Number Web』「セリエAダイレクト・レポート 〈W杯史に残る誤審劇〉韓国vsイタリアから20年…「レフェリー人生最高の試合の1つ」忌み嫌われた審判モレノが認めない“2つのミス”」*7(弓削高志・著。2022年6月18日11時)

number.bunshun.jp

によると、バイロン・モレノさんがモレノが「日韓W杯の『韓国対イタリア戦』を裁いたレフェリー」なのだという。ウィキペディアバイロン・モレノ

ja.wikipedia.org

を読んでみると、

 2002年9月13日、FIFAイタリアサッカー連盟 (FIGC) から調査要請を受けていた2002 FIFAワールドカップ韓国対イタリア戦での誤審とさらに前述のエクアドルリーグセリエA(1部リーグ)のLDUキトバルセロナSC戦で長いロスタイムをとった件についてモレノの調査に乗り出した。

2003年1月、FIFAは調査の結果、2002 FIFAワールドカップでの同審判の規律違反はなかったと発表した。

 -ウィキペディアバイロン・モレノ」(2022年8月26日時点の内容)

とのこと。買収されていたという旨の文章は、ない。

 

 前述の「セリエAダイレクト・レポート」には#2という続きがあり*8、その2ページ目によると、

 2015年、FBIによる「FIFAゲート」捜査で大量の逮捕者が出たとき、日韓大会での試合操作疑惑も再燃した。

 

 捜査資料を入手したイタリアのメディアは、調書の内容から、韓国対イタリア戦の第4審判だったモロッコ人審判ムハンマド・ゲザスが、当時のFIFA会長ヨゼフ・ブラッターと副会長鄭夢準の命を受けたアフリカサッカー連盟会長イッサ・ハヤトウの送り込んだ“現場のお目付け役”で、主審モレノと2人の線審に韓国有利の判定を下せと圧力をかけていた疑いがあると報道した

とあるが、買収の根拠を発見できなかった。「モレノが嘘をついている可能性は否定できない」(#2 p.2)としても、買収なり圧力なりの証拠を何ら示していない。弓削高志さんというライターは事実認定の基本も知らないようで、もし圧力があったというなら独自でもいいから説得力のある証拠を提示してほしい。

 

 あとは読者の調査にも任せるが、筆者の調査の限り、現時点では、バイロン・モレノさんが買収されただとか、圧力を受けただとかの決定的な証拠はないとせざるを得ない。もちろん、今後決定的な証拠が出る可能性はあるが。

 

 人様に根拠を求めておいて矛盾することを承知で書くが、2002年ワールドカップの韓国vsイタリア戦の話は、明らかな誤審という面もあるだろうが*9、(ヨーロッパ人が、アジア人の韓国ごときに負けるなんてありえない!)という、ヨーロッパ人におけるアジア人差別が背景にあるというのは気のせいか。読者としては、現時点では買収や圧力がないという理解をし、あると思ったら自分で調べて証拠を提示するしかないと思った方がよい。

 

 高山さんの文章に戻るが、挙句の果てには以下のことを書いている。

 しかし実際はあの後ホワイト国を利用した犯罪がばれた。「やればできる」を勘違いしているのは確かだ。

 -高山正之「変見自在 #1000 新聞を支配する」(『週刊新潮』2022年9月1日号)

 

 この部分の意味がよくわからない。もしかして、以下に紹介するブログの話じゃないでしょうね?それは、あいこ ⚾️ HJ(@areareararerere)さんのブログ『ネトウヨの寝耳にウォーター』「『ホワイト国除外』の件、韓国に完全論破されてしまう」(2021年7月11日6時)

aiko-hj.blog.jp

にある「4.不適切な事案?」である。韓国政府が摘発したものを「犯罪がばれた」(高山正之「変見自在 #1000 新聞を支配する」)としているわけじゃないよね?

 

 高山正之さんについては、以前、「妄想で 本出している ビジネス社」

https://kiyotaka-since1974.hatenablog.com/entry/2021/12/31/214228

でも取り上げたが、ハングルを読む気もないと自白しているのに韓国について記事にしているのは滑稽である。しかし、事実とは言えないことを事実のように書いて、かつての関東大震災の時のように朝鮮人を虐殺するような事態に発展しないとは言えないので、今回の高山さんの記事や、弓削高志さんが書いた「セリエAダイレクト・レポート」のような記事は、日本のためにも警戒しなければならない。

 

*1:番組HPのアドレスは、

https://www.1242.com/akko/

*2:コトバンクデジタル大辞泉)「ぱくる」の2、または3の意味で用いる。

https://kotobank.jp/word/%E3%81%B1%E3%81%8F%E3%82%8B-357740#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89

*3:支那」は、日本人が使うと差別語と筆者は認定するが、引用なのでそのまま用いた。当ブログ「ジャズとシナ 実は似ている 言葉かな」をご一読。

https://kiyotaka-since1974.hatenablog.com/entry/2022/07/29/224211

*4:一部FIFAホームページの表記を採用した。右記アドレスから。

https://www.fifa.com/fifaplus/en/tournaments/mens/worldcup

*5:一発レッドカードにしなかったということ。

*6:当時の名称は調べていないが、現在の名称と思われるものを表記。東アジアサッカー協会HPの表記に従う。

https://eaff.com/j/10fa/fa07/

*7:筆者の目視では第385回である。

*8:アドレスは、

https://number.bunshun.jp/articles/-/853617

*9:映像をチェックしていないので。明らかな誤審を前提とし、映像をチェックしなくても、本エントリーの趣旨に影響はないと判断した。

池上彰理論なら 独島で決まり

 普段は読まないが、手元に『週刊文春』2022年9月1日号がある。その中の一つに、テレビにおける分かりやすい解説でおなじみの、池上彰さんの連載「そこからですか⁉」があるので、本エントリーで検討する。

 

 連載タイトルは「中国はなぜ台湾を狙うのか」(#536.第536回)であり、読めばそれなりに腑に落ちる内容だったが、唯一目をむいたのは、以下のくだりである。

 私たちからすると、「中国大陸は広大なんだから、台湾くらい独立させてもいいじゃないか」と思ってしまいますが(前後略)

 ‐「池上彰のそこからですか!? #536 中国はなぜ台湾を狙うのか」p.49

 

 引用部分の論理は、領土が広い国は、領土が狭い国にを譲ってしまえと言うように読めてしまう。

 

 となると、日本国と大韓民国は、日本の方が領土が広いのだから譲れるところは大韓民国に譲ってしまえとなってしまう。

 

 外務省HP「日本の領土をめぐる情勢 日本の領土データ」

www.mofa.go.jp

によると、「日本の領土の総面積は,約37万8,000平方キロメートルである」とある。一方、外務省HP「大韓民国 基礎データ」

www.mofa.go.jp

によると、面積は「約10万平方キロメートル(朝鮮半島全体の45%、日本の約4分の1)」とある。

 

 池上彰説だと、日本の方が領土の面積が広いのだから、竹島で争うことをやめて、韓国に独島として譲ってしまえ、となることは、普通程度の能力であれば理解できるだろう。

 

 池上さんであれ、筆者であれ、とんでもない奴だと思うのは結構である。しかし、中華人民共和国がらみだと、池上さんの説に賛成した人も多かったのではないだろうか。

 

 筆者の印象論だが、日本人は、アメリカ合衆国を正義と思い、中華人民共和国を悪、または敵と思う人が多い。しかし、そうなると、物事の判断が曇ってしまう。まずは冷静に物事を見るようにしたい。

 

 なお、筆者が、日本国と大韓民国との領土問題において、日本国に肩入れしていると思う人がいるかもしれない。それはそれで結構である。本エントリーでは、ある基準を提示されたときに、それが妥当かを検討したまでのことで、池上彰説が妥当ではないということで、中華人民共和国として台湾を独立させたくないというのをそのまま理解すべきということである。

「韓国」と 出るとドキッと してしまう

 タイトルの通りの話だが、筆者は、「韓国」という文字に遭遇すると、なぜかドキッとしてしまうという話。以下、2例。

 

(1)日刊ゲンダイデジタル「桧山珠美 あれもこれも言わせて テレビ視聴率急降下のなか“昭和もの”バラエティーが好調…Z世代タレントには逆に新鮮?」(2022年8月21日6時公開。同13時40分更新)

www.nikkan-gendai.com

 

 全体の内容としては、テレビ番組の全体の視聴率は低いが、日本テレビで2022年8月13日に放送された「ダウンタウンVSZ世代 ヤバイ昭和あり?なし?」が高視聴率であるという話だが、本エントリーで引用するのは、以下の部分である。

 13日の「サタデープラス」(TBS系)で「89歳年金10万円で豊かに暮らすシニアに密着」という企画をやっていた。老女によれば、Netflixで韓国ドラマや動画を見るのがアンチエイジングになるという。89歳の老女が動画にハマる時代、テレビの未来は真っ暗だ

文字通りの意味なのだろうが、「韓国ドラマ」という文字を見てドキッとしてしまった。著者はテレビコラムニストだから、とりわけ日本のテレビのひいきと推測するので、(「韓国」のドラマや動画なんかに負けてしまうのか)という風に読んでしまった*1。別に韓国ドラマや動画を見ることと、日本のテレビ番組を見るのは、トレードオフとは限らない(テレビやドラマ・動画を見る時間は調節できるから)。単に面白いコンテンツが増えたという風に思えばよかっただろうに。

 

(2)『韓国軍はベトナムで何をしたか』(村山康文、小学館新書、2022)の「はじめに」の部分(

https://www.amazon.co.jp/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E8%BB%8D%E3%81%AF%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%81%A7%E4%BD%95%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8B-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8%E6%96%B0%E6%9B%B8-424-%E6%9D%91%E5%B1%B1-%E5%BA%B7%E6%96%87/dp/4098254247?asin=B0B7QZHSBC&revisionId=&format=2&depth=1

)。


 全体を読めば、知られていなかった加害行為が知られるようになったことを書いているし、筆者未読も、アマゾンレビューを見る限りではまともな本のようである。しかし、先日、その本を書店で見て「はじめに」を読んだところ、以下の引用部分が目についた。

(前後略)日本は、1910年*2から終戦の1945年までの間、朝鮮半島を植民地にしてきた。戦後、慰安婦問題などがニュースで取り上げられるたび、マスメディアやSNS上で議論が再燃するが、近年は「韓国もベトナムで同じようなことをしたではないか」と、ライダイハン(略)問題やベトナム戦争時の民間人殺害事件が引き合いに出されることがある。しかし、慰安婦問題は、日本が朝鮮を植民地化していたところに戦争状態が合わさって起きた複雑な問題だ。ベトナム戦時下の、戦場の狂気のなかで、韓国軍が行った事件と同列に扱える問題ではない。それぞれ別の加害と被害であり、同様に論じるべきではないと、私は考えている。

 -『韓国軍はベトナムで何をしたか』「はじめに」

 

 『韓国軍はベトナムで何をしたか』の著者である村山さんはベトナムを取材対象とした、おそらく日本人フォトジャーナリストであるから*3、韓国軍がベトナムでしたことが本当に問題であり、大日本帝国が起こした慰安婦問題など大したことなどないと、著者が言ってもいないはずなのに読めてしまった。「それぞれ別の加害と被害であり、同様に論じるべきではない」と書くから誤解されるので、どちらも倫理的に悪である、くらいに書いた方がよかったと筆者は思う。

 

 日本人は、大日本帝国の植民地支配の故か、朝鮮半島について素直にものを見るのが難しくなっていると筆者は思っている。だから筆者が「韓国」という文字を見るとドキッとしてしまっていると自己分析をしているが、本エントリーで取り上げた桧山珠美さんや村山康文さんが、朝鮮半島に対して醜い見解を持っていないことを祈りたい。

*1:著者に訊いたわけではないが、もちろん筆者の誤読ですよ。

*2:漢数字をアラビア数字に改めた。以下も同じ。

*3:「私はこの20年以上、フォトジャーナリストとしてベトナムを追い続けている」(『韓国軍はベトナムで何をしたか』「はじめに」)。