清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

河村たかしから 守るためには 効果なし(日本なら 脅迫すれば 楽勝だ(5))

筆者の理解しているかぎりでの憲法講座を。

 

題材は、ZAKZAK by 夕刊フジ「「あいちトリエンナーレ」問題 河村たかし名古屋市長が激白「私と大村知事を国会に呼んで!」 「日本の世論がハイジャックされたような展覧会」」(*1)である。

 

その2ページ目(*1から全文読んでね)に

河村氏は「憲法21条違反などという非常識な人間がいるらしいが、本当に憲法を理解しているのか? 『表現の自由』は無制限ではない。憲法12条の『公共の福祉』に反するような展示は認められない」と語った 

とある。

 

憲法第12条で制約されるという、上記のような説は、憲法の学説では、一元的外在制約説と言うが、現時点では通説になっていない。

 

*1の1ページ目に、

「私はトリエンナーレに賛同する立場で視察して、『これはひどい』と思った。昭和天皇の写真もそうだが、普通の神経をした人なら『これは美術なのか?』と思うでしょう。いわば、『日本の世論がハイジャックされたような展覧会だ』と思った。だから責任を果たすために、実行委員会会長である大村氏に中止を申し入れた」

とあるが、このようなことを止めることができないから、一元的外在制約説というのは現時点では支持されないのである。

 

芦部信喜憲法』(岩波書店。本エントリーでも参照した)あたりがスタンダードなテキストなので索引で「公共の福祉」を調べて読んでほしいのだが、判例や学説の流れとして、一元的外在制約説→内在・外在二元的制約説→一元的内在制約説→比較衡量論→二重の基準論、というのがあるのだから、公共の福祉の話で憲法第12条を持ち出すと、知識のある人から馬鹿にされるのが必定だから、慎んだほうがよい。

 

*1 2019年8月12日。https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190812/dom1908120002-n1.html