Twitter上の「議論」。
先手:三浦瑠麗さん(国際政治学者。なお、後述の想田和弘さんと同じく、タイトルに限り敬称を略した)*1
河村市長の座り込みはかつて山猫日記の「弱者認識の奪い合い」で指摘した保守のロジックと重なります。脅迫され、助成金も取り消されたあいちトリエンナーレ側がいったん弱者になったかと見えたけど、再開したことで展示に対する反対者は再び弱者の立場を主張することができるようになったわけです。
— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) October 8, 2019
おっしゃる意味がよくわかりませんが、トリエンナーレは脅迫で展示を中止された上に、正当な手続き抜きに補助金を不交付とされた被害者です。不自由展への補助金は420万円だったのに、トリエンナーレ全体に対する7820万円を不交付とされてしまいました。被害は甚大です。その事実は変わりません。 https://t.co/ObsyEiGmwg
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) October 9, 2019
先手:三浦瑠麗さん*3
私がその補助金全額不交付に反対していることはご存知ですね。展示再開に賛成したこともご存知ですね。読解できないなら典拠の山猫日記を読むか、あるいはそもそも絡んで来なければよいのに、なぜ私の意見がそこまで気になるのでしょうか。 https://t.co/KyR7gFSdYN
— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) October 9, 2019
後手:想田和弘さん*4
なんで僕はあなたに一言言いたくなるんでしょうね。それはたぶん、あなたが展示再開に賛成したり補助金全額不交付に反対されたりしているという「結論」と、長々と言葉を費やしておっしゃることのベクトルが真逆に見えるからでしょう。で、長い方のメッセージに真意があるように見えちゃうんですよ。 https://t.co/CVpQLvDfl9
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) October 9, 2019
で、なぜ長い方のメッセージに真意があるように見えるかというと、あなたがよく安倍政権とその批判者が対立している際に中立を装って展開する「どっちもどっち論」が、実は常に政権側に味方する結果になっているからだと思います。@lullymiura
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) October 9, 2019
先手:三浦瑠麗さん*5
想田さん、そもそもお会いしたことはありませんが、全部自分の主張や物の見方に同調しないと文句をつけたくなるのは、偏狭だと言われてしまいますよ。それに相手が女だからより説教したくなっている可能性もよく考えてみてくださいね。私の人生を通じてそういう経験が多いので。 https://t.co/qtmSO2G2DF
— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) October 9, 2019
ここまで。
まず*2。*1に対する的確な批判、かつ事実である。
次に*3。三浦さんって、本当に学者かなぁ?
たしかに、三浦さんと想田さんが全くやり取りがないということはなさそうである(@kazuhirosoda @lullymiura をツイッターで検索した結果はhttps://twitter.com/search?q=%40kazuhiroSoda%20%20%40lullymiura&src=typeahead_click )。しかし、筆者が調べた限りで「私がその補助金全額不交付に反対していることはご存知ですね。展示再開に賛成したこともご存知ですね」の根拠が見当たらなかった(ツイートをたどった限りで)。想田さんは知っていたのかもしれないが、第3者にも読まれるツイッターだから、「ご存知ですね」ではなく、「ご存知ですよね?」が正しいだろう。なお、*1のツイートからは「補助金全額不交付に反対していることはご存知ですね。展示再開に賛成したこともご存知ですね」の根拠を発見できなかった。
次に*4。「で、なぜ長い方のメッセージに真意があるように見えるかというと」以下がどうかはさておき、「「結論」と、長々と言葉を費やしておっしゃることのベクトルが真逆に見えるからでしょう。で、長い方のメッセージに真意があるように見えちゃう」は正しい。
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
で問題にした三浦さんのツイートの結論は
日本におけるマイノリティである朝鮮人の表現の機会を抑圧することには極めて慎重であるべきということです。米国で公的な助成から対立を煽ったり恨みを表現した黒人アートを排除したら問題になるように、国家を嫌う表現が趣味に合わなくても、少数民族の表現の機会は奪ってはいけません。以上です。
— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) September 26, 2019
なのだが、これを言いたいがための論理構成になっていないのは、上記ツイートをさかのぼればわかる。したがって*4の想田さんのツイートは、筆者の読解でも正しそうである。また、*1と、想田さんが「結論」としている話もつながりがない。
最後に*5。「全部自分の主張や物の見方に同調しないと文句をつけたくなるのは、偏狭だと言われてしまいますよ」って、それだと三浦さんのがした否定的評価も「偏狭」で終了ね(大笑い)。三浦さんがツイートした「文句をつけ」ること自体は自由でしょうに。
さらに不利になった三浦さん、「相手が女だからより説教したくなっている可能性もよく考えてみてくださいね。私の人生を通じてそういう経験が多いので」と、想田さんのツイートから発見できなかった「女」云々と、関係ない話にしてしまった。想田さんは三浦さんの表現内容を批判しているだけにしか見えないが。
というわけで、今回も三浦さんの惨敗となりました。
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
に続いて、筆者の知る限り2連敗である。