清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

報道と オリジナルって 違うみたい

まずは読売新聞オンラインが2020年1月27日21時4分に配信した「異動後も不適切投稿の岡口判事、高裁が懲戒申し立て」(以下①)をご覧いただこう。

www.yomiuri.co.jp

 

①によると、

 東京都江戸川区の女子高生殺害事件を巡り、岡口基一・仙台高裁判事(53)がフェイスブック(FB)に不適切な投稿をした問題で、同高裁は27日、岡口氏の懲戒処分を求め、裁判官分限法に基づいて最高裁に分限裁判を申し立てた。(中略)/仙台高裁へ異動した後の昨年11月12日、遺族が岡口氏の罷免ひめんを求めていることに触れ、<俺を非難するように洗脳された>などと投稿。同高裁は遺族への侮辱に当たり、国民の裁判官への信頼を損ねたと判断した。

 とのこと。

 

この記事、筆者は紙で読んだが、その時の感想は(「〈洗脳〉」(①)なんて言葉を使うなんて、被害者を侮辱しているのか、おい?)だったが、以下で紹介する岡口基一仙台高等裁判所判事のブログの記事を読むと、上記筆者の感想を疑問に思ったので、以下、紹介する。岡口基一『分限裁判の記録』「『洗脳発言』報道について」(2019年11月18日の記事。以下②)である。

okaguchik.hatenablog.com

なお、②は、岡口基一『分限裁判の記録』「分限裁判の申立書が送達されました」(2020年1月28日。https://okaguchik.hatenablog.com/entry/2020/01/28/222504 )の「この申立てに対する反論は、既に明らかにしたとおりです↓」からアクセスしたものである。

 

まず、欠かせない知識としては、

 このころ,裁判所では,性犯罪に関する下級審判決書は最高裁のウェブサイトには掲載しないとの内規が作られていましたが,この内規はあまり守られておらず,実際に,性犯罪に関する下級審判決書は,現在でも,多数掲載されたままになっています。

 のところである。

 

そして、

 その後,遺族の方々と東京高裁との交渉が続きましたが,それを経て,遺族の方は,「本件判決書がネット上にアップされることは何ら問題がない。事件のことを世の中に広く知ってもらい,今後のために役立ててもらうことは被害者としても望ましい。」という趣旨のコメントを出しました(毎日新聞が報道(ただし筆者未確認。筆者注))。

 ところが,このように本件判決書の掲載について遺族の方々の理解が得られたにもかかわらず,東京高裁は,私が本件ツイートをしたことについて厳重注意処分としました。この注意処分は,書面によってされたにもかかわらず,本件ツイートがいかなる理由で非違行為に当たるものなのかを何ら明らかにされていませんでした。

 という事情があったらしい。

 

そして、

 今年に入り,遺族の方々は,裁判官訴追委員会に,私の罷免を求める申立てをしました。その後に遺族の方が繰り返しツイートされているところによると,申立ての理由は,私が本件ツイートによって本件判決書を「拡散」したことが非違行為に当たるとのことです。この時点で私は初めて,遺族の方がいかなる理由で本件ツイートを不当と考えられているのかを知ることができました。遺族の方々は,やはり、本件判決書がネット上で拡散されたことを一番嫌がっておられたのです。

 そして,その後,いろいろなことがわかってきました。遺族の方々が,私が本件ツイートをした目的について全くご存じなかったということもわかりました。東京高裁は,私を遺族と遮断しておきながら,私が最も伝えてほしい情報を遺族に伝えていなかったのです。

 このことは,東京高裁が,私と遺族の接触を禁じたうえで,東京高裁に都合のいいことだけを遺族に説明し,私一人を悪者に仕立て上げたのではないかという疑念を生じさせました。

 内規に違反して性犯罪に関する本件判決書をアップしてしまったのは東京高裁です。遺族も,当初は,本件判決書がネット上にあることを批判していたのです。

 ところが,遺族は,東京高裁との交渉を経た結果,東京高裁が本件判決書をアップしたことは何も悪くない,悪いのは私一人であるという考えに完全に変わり,現在では,裁判官訴追委員会に私の罷免を求めるのみならず,その賛同を求めるために今年の8月にはネット上での署名活動まで始められています。私が東京高裁を通じてした謝罪の申入れを拒否しておきながら,今年3月のNHKの取材に対しては,私が早く謝罪をしなかったのが問題であると答えられています。早く謝罪しようにも,本件判決書は被害者の名前、犯行場所等は隠されて何の事件なのかわからないようにされていますし,わかったとしてもその遺族の方の連絡先などわかるはずがありません。

 このような経過があったことから,私は,遺族の方々の考え方は東京高裁によって大きく変えられたのではないかと疑い,これを「東京高裁による洗脳」と表現したものです。

 というのが、①が報じた「昨年11月12日、遺族が岡口氏の罷免(ひめん。カッコは筆者が記した)を求めていることに触れ、<俺を非難するように洗脳された>などと投稿。同高裁は遺族への侮辱に当たり、国民の裁判官への信頼を損ねたと判断した」につながる話である。なお、筆者は岡口基一仙台高等裁判所判事のフェイスブックにアクセスしたが、現在では、いわゆる「洗脳」投稿は削除されている(フェイスブックのアカウントを持っている方はhttps://www.facebook.com/okaguchik にアクセスし、「タイムライン 2019年 11月」で検索されたし)。

 

①の報道を見ると、正直、(岡口ってサイッテーやな!)と思ったが、②の引用した部分を見ると、岡口さんのやったことにも理由がありそうだと思ってしまった。

 

もちろん、②は岡口さんの主張ということで割引いてみないといけない面もあるが、報道を鵜呑みにせず調べることも大事なんだな、と改めて認識した次第である。