清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

札幌でも 「人種差別」が あったけど

読売新聞2020年7月7日統合版12版10面「気流」に、「人種差別の根深さ」と題した、札幌市の主婦の方の投書が載っていた(著作権読売新聞社にあると判断したため(1面に「©読売新聞社2020」とある)、投書した人の名は伏せた)。

 

「人種差別の根深さ」によると、

先日、ベルギーに住む知人から電話があった。首都ブリュッセルで、米国で白人警察官に拘束された 黒人男性が死亡した事件に対する抗議デモが行われ、一部の参加者が焦点を破壊したという。私が訪れたことがある店も残念なことに襲われたそうだ。

 

ベルギーは歴史的に多くの移民を受け入れてきた国だ。ブリュッセルは歴史を感じさせる美しい街で、私は様々な人種の住民が楽しげに談笑し、冗談を言い合う姿を目にした。

(略)

ブリュッセルの様子を聞き、世界に広がる人種差別の根は本当に深く、当たり前だが、住んでみないとそうした事情は分からないのだと再認識した。

 

あの穏やかな日々が、早く戻ることを願っている。

 とのこと。

 

まずは軽くジャブ。ベルギーは、民族間(人種差別撤廃条約第1条の「人種」に該当)の対立が結構激しく、1年以上も「後継の首相が決まら」(後述ウィキペディアの表現)ないことがあった。

イヴ・ルテルム - Wikipedia (ベルギーの政治家)を参照。もちろん「住んでみないと」「事情は分からない」(ともに「人種差別の根深さ」より)が、公開情報レベルでも少しはわかるのである。もちろん人種差別の事例ではないが、「ブリュッセルは歴史を感じさせる美しい街で、私は様々な人種の住民が楽しげに談笑し、冗談を言い合う姿を目にした」(「人種差別の根深さ」)は、一面的だという非難は免れない。

 

以下も「公開情報レベルでも少しはわかる」(筆者の表現)の例を挙げるが、投書をした人は札幌市在住とのことだが、いつから住み始めたかは興味深い。仮に2013年2月より前に住み始めていたとしたら(そうでないと信じたい)、「世界に広がる人種差別の根は本当に深く、当たり前だが、住んでみないとそうした事情は分からないのだと再認識した」とのんきに書くべきではなかった。

 

『最新 差別語不快語』(小林健治・著。辛淑玉・企画。にんげん出版)p277によると、

事例6…2013年2月「日韓国交断絶国民大行進in さっぽろ雪まつり」で「雪まつりの観光客の韓国人を皆殺しにしろ」などと叫ぶ 

 とある。

 

(え、そんな偏った本だけで判断しちゃうの?)って、「偏った本」(カッコ内の表現)じゃないけど、別にこういう記事もある。毎日新聞デジタル「さっぽろ雪まつり
ヘイトスピーチ警戒 地元ぴりぴり」(2016年2月5日 21時11分)。

mainichi.jp

 

さっぽろ雪まつり ヘイトスピーチ警戒 地元ぴりぴり」によると、

5日開幕した「第67回さっぽろ雪まつり」で、外国人排斥を目的とするデモ行進の開催が懸念されている。2013年以降は毎年、デモ行進や街頭宣伝が行われ、特定の人種や民族、国籍などに対する「ヘイトスピーチ」が問題になった。

 という。というわけで、『最新 差別語不快語』p277の事例6は、事実と認定してよい。

 

札幌でも人種差別撤廃条約第1条定義の人種差別が行われているのに(より的確に書けば、人種差別撤廃条約第4条の「人種的憎悪」になろうが)、それを無視する投書を載せた新聞の見識が疑われる事例であった。