韓国疲れ？　いや　韓国批判疲れ - 清高の　ニュースの感想　令和版

　まずは、自由民主党所属の参議院議員、佐藤正久さんの、2021年7月17日12時44分のツイート。

【当たり前の話だが、IOCが
韓国選手村の横断幕を撤去要請→大韓体育会が撤去】
本当に疲れる話だが、まだ、韓国疲れしてはいけない。五輪開会式はこれから、いろいろな事がある可能性も。福島県の食材拒否もそうだが、火種を作るのを厭わない。
— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) 2021年7月17日

　私は疲れているが、佐藤さんが言うような「韓国疲れ」ではなく、いわば「韓国批判」疲れである。以下、産経新聞電子版「竹島、反日横断幕…韓国、五輪でも『歴史戦』　祭典に冷や水」（桜井紀雄。2021年7月18日18時29分。

https://www.sankei.com/article/20210718-IVTQILSG55PMXO2R3UKQI7PCLU/?735663

などを引用しつつ、検討する。

　韓国側がまず持ち出したのは、韓国が不法占拠する竹島（島根県隠岐の島町）の問題だ。東京五輪の公式サイト上の日本地図に竹島が表記されていることに反発し、知日派で知られる李洛淵（イ・ナギョン）元首相といった来年３月の大統領選の与党候補らが「五輪ボイコット」を主張する騒ぎとなった。

　韓国側には、2018年の平昌冬季五輪で国際オリンピック委員会（IOC）の勧告を受け、北朝鮮と共同で用いた朝鮮半島の旗から竹島表記を削除した経緯がある。今回、日本側に削除を求めないIOCに不満をくすぶらせてきた*1

とのことだが、この経緯なら韓国側の主張を理解できる。IOCが政治介入しているようなものだからである（日本政府の立場はさておき、領土問題において一定の立場を表明しているから）。

　そうした中、韓国選手団が東京五輪の選手村に掲げた応援の横断幕が17日にIOCの勧告で撤去された。豊臣秀吉の朝鮮出兵に抗した李舜臣将軍の言葉にちなみ「臣にはまだ5千万国民の応援と支持が残っております」と記されたもので、IOCは政治的宣伝を禁じた五輪憲章50条に反すると判断した*2

という。

　五輪憲章第50条*3には「2.オリンピックの用地、競技会場、またはその他の区域では、いかなる種類のデモンストレーションも、あるいは政治的、宗教的、人種的プロパガンダも許可されない」とある。

　コトバンクで「政治」「プロパガンダ」を検索した結果をいかに記す。

政治とは - コトバンク

プロパガンダとは - コトバンク

正直、「『臣にはまだ5千万国民の応援と支持が残っております』」*4がどう「社会の意思決定」*5に関わるのかわからない（李舜臣主義というのは聞いたことがない（だから「プロパガンダ」と言えるかわからない）。李舜臣については

李舜臣とは - コトバンクをご一読）。なお、AERA dot.「韓国側が選手村の横断幕撤去に激怒『旭日旗を問題視』五輪ボイコットの可能性も」（牧忠則。2021年7月18日16時32分。https://dot.asahi.com/dot/2021071800018.html?page=1

）によると、「ハングルで記されていた」とある。日本人であれば（韓国語やハングルはメジャーだ）と認識を改めないとダメだろう。

　韓国側は「IOCは旭日旗にも同じ条項を適用すると約束した」としている。大会組織委員会は、旭日旗は政治的な宣伝物に当たらないとの見解を示しており、日韓の認識の差が今後、問題化する可能性がある*6

とある。筆者は旭日旗の方が「政治的な宣伝物」に当たり得ると考えている。在日特権を許さない市民の会のデモでも使われているくらいなので*7。なお、横断幕の文字より、デザインの方が認識しやすいのは言うまでもなかろう。

　一方、在韓日本大使館の総括公使が韓国人記者に文氏の訪日問題について話した際、性的表現を用いたことも外交問題に発展した*8

については、朝日新聞デジタル「韓国メディアとの懇談で不適切発言　駐韓公使に厳重注意」（ソウル＝神谷毅。2021年7月17日13時30分。https://www.asahi.com/articles/ASP7K40ZCP7KUHBI00X.html

をご一読。筆者も使ったので*9身につまされる思いである。それにしても日本人もここまで来てしまったか、と思った。朝日新聞デジタル「韓国メディアとの懇談で不適切発言　駐韓公使に厳重注意」によると、「文在寅（ムンジェイン）大統領が独り相撲をとっているとの趣旨だった」とあるが、そのような事実はなく、むしろ安倍晋三さんが日韓関係を壊したというのが真相である*10。

　加えて、こんな話もある。産経新聞電子版「韓国、五輪選手団に給食センター　『福島産に懸念』」（桜井紀雄。2021年7月16日23時3分。

https://www.sankei.com/article/20210716-5BSCRUPWLBIE7KITQQINKOXGBQ/?615386
）によると、「韓国オリンピック委員会を兼ねる大韓体育会は、東京五輪の選手村の食事に福島県産の食材が使われることを懸念し、近くのホテルを借りて給食センターを設置した」という。読売新聞も「【独自】韓国選手団に『福島産食べるな』と指導、弁当配送へ…自民『いちゃもんだ』」（2021年7月17日6時55分。

https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20210716-OYT1T50367/

と報じている。読売新聞の記事は、2021年7月17日統合版13版2面にも「韓国、選手村の食事『辞退』指導」として載っており、それによると、

　韓国の対応について、自民党の佐藤正久外交部会長は「食材はおもてなしの気持ちで努力し、相当気を使っている。福島県民の心を踏みにじる行為だ」と語った。選手村のレストランでは、福島県など被災地の食材を活用した食事を選手に提供している

という。この佐藤正久さんのコメントがもてなしから遠いと思うのは気のせいか。相当気を使っていても、イスラム教徒に豚肉を出してはダメなのはおそらく佐藤さんでも否定しないだろう。つまり、「『相当気を使っている』」*11から何をしてもいいとはならない。なお、筆者は、福島県産の野菜等を食べているので、福島県産自体がいけないと言いたいのではなく、相手の選択を否定できないと言いたいのである。

　ところで、冬季平昌オリンピックにおいて、日本選手団は、「日本選手向けに日本食を提供する施設を作った」そうだが、本当だろうか？*12쿨파스（@raymondpark0601）さんの、2021年7月18日0時55分のツイートをご一読。

日本人は馬鹿だから、平昌では何の放射能の問題などなかったのにも関わらず、日本選手向けに日本食を提供する施設を作ったことをすっかり忘れて文句言ってるんだろうね。 https://t.co/aBW4bnaA8s pic.twitter.com/rOAbkKD5IR
— 🇰🇷쿨파스🇨🇦 (@raymondpark0601) 2021年7月17日