読売新聞2021年11月5日統合版12版16面に「政権に求める文化・芸術制作」と題する記事があったので検討する。
まずはホリプロ社長の堀義貴さん。
エンターテインメント業界に興味を持つ学生たちに近頃、こんな話をします。
「今のままでは、30年後に『今日は中国のドラマ、明日は韓国のドラマ。日本の作品は今週1本しか放送していなかったね』と話すようになってしまう」
そんならそんでええやないか。仮にアメリカのドラマが席巻していたらこういう表現になるだろうか?
金の問題は否定しないが、中国や韓国のコンテンツが面白ければ、それを楽しんで、憧れて、アイデアがあれば作品をつくればいいだけである。中国や韓国の作品がいいことを否定する必要はない。
最後に(と書いたが、インタビューに応じているのは2人だけ)多摩美術大学の理事長・青柳正規さん。
文化的に深くわかりあっている国とは、深刻な対立にならないでしょう。文化は、最大の安全保障でもあるはずです。
昨今の日韓関係(筆者の興味にすぎず、当然「日中関係」も当てはまる)にも応用できそうな話である。まだの人はK-POPでも韓国ドラマでもいいから、韓国のコンテンツを楽しむべし。逆もまた真であるが(と書いたが、青柳さんが言いたいのはこちら。「さらに、これら(「『ジャパンサーチ』の正式版」などのこと)を海外のデータベースにつなぎ、世界の人々に日本を理解してもらう」とあるから)。
どちらにしても、日本からの発信が必要なのは言うまでもないが、中国や韓国の作品も、(中国なんか嫌いだ~!韓国なんか嫌いだ~!)と思う前に、作品を楽しむ方が、誰にとっても得である。