立憲民主党の代表選が行われているが、さっそくマスメディアからの攻撃にさらされている。
その一例が読売新聞で、紙の見出し(2021年11月23日統合版13版4面)には「4氏の政策 大同小異」とある。
ウェブでは「『議論低調、話題に欠ける』立民代表選…ベテランから『辞めた枝野さんも浮かばれない』と嘆く声」と銘打っている。
ウェブの記事から引用してみる。
立憲民主党代表選に立候補した4氏による22日の公開討論会は、共産党との共闘のあり方などを巡って議論が交わされた。4氏とも修正を加えた上で共闘路線は続けるべきだとの考えを示し、大きな違いは見られなかった。経済対策でも似通った主張が多く、党勢立て直しに向けた独自政策の打ち出しは乏しかった*1
わざとそういうところをクローズアップしている、というツッコミはさておき、読売新聞は「政党」の意味がわかっていないようである。コトバンク「政党」*2
によると、「政治についての主義主張や政策の一致した人々がその政策を実現するために組織する団体。政社」である。紙の見出しにある「大同小異」など当たり前だろう。つまり読売新聞は、貴重な資源をゴミにしてしまっている。だから「マスゴミ」と叩かれるのである。
一方、同じ「読売」でも、読売テレビ「ウェークアップ」において、野村修也さんが、自由民主党総裁選のことを「多様性があっていい」と評価した*3。しかし、「政治についての主義主張や政策の一致した人々がその政策を実現するために組織する団体」*4が多様性があるのがいいかはわからない。おそらく、立憲民主党の代表選で言っていることがバラバラだったならば、「政権の体をなしていない」と評価するのだろう。
党によっていいか悪いかではなく、一定の価値観を持って評価しないと、アンフェアのそしりは免れず、ゴミ扱いされても仕方ないだろう。昨今のマスメディアの低迷を象徴する出来事である。
補足。本エントリーは筆者の記憶の部分があるので精密さを欠くのは承知だが、神奈川新聞の「カナロコ」に、「立民・枝野氏、報道に皮肉『自民は多様、野党だとバラバラ』」と題した記事がある(2021年9月17日21時56分。Yahoo!ニュースでは
https://news.yahoo.co.jp/articles/479b450f1d2ad18a1b6fd7c8bf512b4e630aede1 )
もちろん、当事者の枝野幸男代表(当時)だから、話半分に見なければならないが、筆者の記憶とは矛盾しない。党によって決めるのではなく、何らかの価値観で決めてもらいたい。ただ、政党は、重ねて言うが「政治についての主義主張や政策の一致した人々がその政策を実現するために組織する団体。政社」なわけだから、読売新聞流の「大同小異」の概念は意味がない。