清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

主張をね 事実と偽装 読売が

『読売新聞』は、今「安倍政権の機関紙」のようになっていますね。安倍首相と親しい主筆渡邉恒雄氏のカラーが非常に強く出ています。たとえていえばソ連時代の「プラウダ」と同じで、これはこれでやはり読んでおかなければいけない。

 -『僕らが毎日やっている最強の読み方』(池上彰/佐藤優東洋経済新報社、2016)pp.71-72。佐藤優さんのコメント

 

 2016年時点で上記のような評価を受けた読売新聞。この頃から壊れていたようだが、安倍晋三銃殺事件以降の壊れっぷりはハンパない。今日取り上げる記事は、2022年7月20日統合版1面に載った「首相、韓国側の尽力要求(以下略)」だが、読売新聞オンラインに同様の記事、すなわち、「岸田首相、慰安婦・元徴用工問題で韓国外相に『解決に向けて尽力』求める」(2022年7月19日23時28分)である。

www.yomiuri.co.jp

 記事によると、

 日韓間の請求権を巡る問題は、「完全かつ最終的に解決された」と規定した1965年の請求権・経済協力協定で法的に決着している。

という。

 

 誰が決めたの?国際司法裁判所で確定でもしたのか?あくまで日本政府の立場でしかないのに上記引用のように確定したこととして書いていいのだろうか。

 

 ところで、佐藤優さんが言及した「プラウダ」とは何か。

プラウダとは - コトバンク によると、

 モスクワで発刊され、ロシア全土に配布される日刊紙で、1918年から91年まで、ソビエト共産党中央委員会の公式機関紙であった(以下略。日本大百科全書 ニッポニカの解説)

という。

 

 機関紙とは - コトバンク

によると、

 政党、団体、グループなど公的な事業活動を目的とする組織が、その構成員に対する意思の伝達、内部の連絡、あるいは外部に向けてその主義・主張を教宣するために発行する定期刊行物またはそれに準ずる印刷物の総称

だという。

 

 新聞には「主義・主張」*1もあるが*2、基本的には事実を書くものである。しかし、読売新聞が書いたような「日韓間の請求権を巡る問題は、「完全かつ最終的に解決された」と規定した1965年の請求権・経済協力協定で法的に決着している」という事実はない。「主義・主張」*3を事実のように書くのでは、フェイクニュースとの非難は免れない。

 

 それにしても、佐藤優さんの「ソ連時代の『プラウダ』と同じ」*4というのは的確なコメントで、現在の読売新聞にも当てはまる。読売新聞の自浄能力のなさに辟易する日本国民も多かろう。

*1:コトバンク「機関紙とは」参照。

*2:例えば社説。

*3:*1に同じ。

*4:『僕らが毎日やっている最強の読み方』(池上彰/佐藤優東洋経済新報社、2016)p.72。