NHK NEWS WEB「東京 渋谷 母娘殺人未遂事件 15歳少女 “死刑になりたくて”」(2022年8月21日11時56分)
によると、
20日夜、東京・渋谷区の路上で50代の母親と10代の娘が刃物で背中などを刺され、大けがをした事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された少女は、埼玉県に住む15歳の中学生と確認されました。
調べに対し「死刑になりたくて、たまたま見つけた親子を刺した」などと供述しているということで、警視庁が詳しいいきさつを捜査しています
とのこと。
15歳の中学生が犯人だったとすると、この犯人は、現在の日本においては、絶対に死刑にならない。根拠は児童の権利に関する条約第37条(a)である。どんな事件においても襲われた方は気の毒だが、本件の場合、犯人が死刑になることはなく、襲う必要もないのに襲われたのだから、たまったものではないだろう。
ところで、Googleニュースの検索窓に「死刑になりたい」と打ち込んだ結果*1、そういう事件は結構ある。京王線刺殺事件*2、2022年1月8日に起こった渋谷区における焼き肉店での立てこもり事件*3、ゆめタウン博多における中学生への切り付け事件*4。加えて、『「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理』という本もあるという*5。
こういう事件の報道に接した場合、最悪なのは、(とっとと死ねや!)だとか(人に迷惑をかけないで一人で死ねや!)だと思う*6。どういう気持ちなのかをまずは調べ、それをよりよい社会になるように政策を講じる(提案することも含め)ことがいいだろう。
*1:アドレスは、
*2:大人んサー「京王線刺傷事件で容疑者『死刑にして…』、希望通りでも問題ない? 模倣犯、考慮は?」(2021年11月7日。
https://otonanswer.jp/post/99561/
)参照。
*3:「玉川徹氏、立てこもり犯の『死刑になりたい』供述に『自己責任社会で社会自体を攻撃する人が出てくるのは必然』」(2022年1月10日8時37分。
https://hochi.news/articles/20220110-OHT1T51017.html?page=1
)参照。
*4:読売新聞オンライン「32歳の女、すれ違った中学生の首に後ろから切りつけ…『死刑になれると思った』」(2022年7月17日20時46分。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220717-OYT1T50086/
)参照。
*5:文春オンライン(インベカオリ★)「「加害者家族の多くが『サザエさん』みたいな家なんですよ」“普通の家庭”から無差別殺傷犯が生まれる“日本社会特有の理由”」『「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理』より #1」(2022年6月16日。
https://bunshun.jp/articles/-/55106
)を参照。
*6:そう思っても誰も救えないし、自らがそのような立場に陥った場合にそうせざるを得なくなる可能性があるから。