清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

これならば 負けもやむなし 門田隆将

 朝日新聞デジタル「『国会議員が職員つるし上げ』表現めぐり産経新聞と門田氏に賠償命令」(田中恭太。2022年11月9日14時50分)

www.asahi.com

によると、

 学校法人森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題を取り上げた、産経新聞への寄稿記事で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が、産経新聞社と筆者でジャーナリストの門田隆将氏に計880万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が9日、東京地裁(大嶋洋志裁判長)であった。判決は名誉毀損(きそん)を認め、産経新聞社と門田氏に計220万円の支払いを命じた。

 

 (略)18年(2018年のこと。筆者補足)3月に財務省近畿財務局の職員が自殺した件に言及し「(両議員は)財務省に乗り込み、約1時間、職員をつるし上げている。当該職員の自殺は翌日だった」と記載した。一方、両議員が訪れたのは東京の本省で、自殺した職員には面会していなかった。

 判決は、「当該」との単語が使われ、連続した2文で構成されたこの文章を読めば「読者は、両議員が自殺前日にこの職員を集団的に批判、問責し、自殺の要因になったと理解する」と判断した。被告側の「『つるし上げ』の対象は自殺した職員ではないと容易に理解できる」という主張を退け、名誉毀損を認めた。

とのこと。

 

 これについて、被告の門田隆将さん(Twitterアカウントは、@KadotaRyusho)がこんなツイートを。2022年11月9日10時22分のツイート。

 

 また、そのコラムは、2022年11月11日現在ウェブで読める。産経新聞「新聞に喝 事実とは真逆の報道 作家・ジャーナリスト・門田隆将」(2020年10月25日10時)のリンクを貼る。

www.sankei.com

 

 あらかじめ断っておくが、国会議員が名誉毀損訴訟を起こしていけないわけではないが、否定的に評価され得ることを書いておいて、以下、検討する。

 

 まず1ページ目には、

 14日(2020年10月14日のこと。筆者注)、森友文書改竄(かいざん)問題で自殺に追い込まれたとされる財務省近畿財務局職員の妻が上司の音声データを大阪地裁に提出した。職員の死後、上司が妻に語った音声だ

とある。ここでは「職員の死後」と書いていあることに注意。

 

 そして、問題は、2ページ目の以下の部分。なお、「新聞に喝!(略)」のリンクからアクセスしてください。

 

 国会で野党が安倍晋三首相や佐川宣寿理財局長を糾弾し、同時に公開ヒアリングと称して官僚がつるし上げられていたことを思い出してほしい。(中略)東京では翌6日、民進党の杉尾秀哉、小西洋之両氏が財務省に乗り込み、約1時間、職員をつるし上げている。当該職員の自殺はその翌日の7日だった。

 これらの書き方では、朝日新聞デジタルで報じられている、「判決は、『当該』との単語が使われ、連続した2文で構成されたこの文章を読めば「読者は、両議員が自殺前日にこの職員を集団的に批判、問責し、自殺の要因になったと理解する」と判断した」の部分は、妥当な認識ということになる。

 

 「新聞に喝!(略)」にある、「改竄理由が野党にあった」ということに引きずられたのか、自死した職員が小西洋之、杉尾秀哉両議院につるし上げられて、それが原因であるかのように読めるように書いてしまった門田さん、ならびにそれを掲載した産経新聞の問題としてよいだろう。せいぜい自死をした職員を「A」とするなど、書き方を工夫すれば訴えを提起されることはなかったのに。

 

 筆者が思う普通の人の読解というのはこういうものだと思うが、判決が確定するまで結論は流動するので、今回の妥当な判決が覆らないか、心配である。