朝日新聞がやらかしてくれました。
朝日新聞デジタル「AKB48とBTSの違いは? 河野太郎氏が若者へ世界標準のすすめ」(2023年1月3日11時1分)
もちろん、有料会員でない筆者が悪いのだが、それにしても、無料部分に、AKB48やBTSの文字がないのでは、それらに興味を持っている人をだますものなのではないか。
また、無料部分で読める質問と回答も、酷い。以下、引用しつつ論じる。
【質問】(略)
札幌市のすし店で働いています。時給約950円で月収は10万円ほど。店は常に人手不足で、仕事が終わるころはくたくたです。正社員とアルバイトで同じ仕事をしているのに賃金が大きく違うのも不満です。以前働いていたカナダの日本食レストランの時給は2千円近いこともあり、人手も不足していませんでした。なぜ日本は、こんなに働きにくく、希望の持てない国になってしまったのでしょうか。(略)(札幌市・アルバイト女性 29歳)(略)
【回答者】衆院議員・デジタル相、河野太郎さん
(以下は朝日新聞の当該記事を読んでください。筆者は間違っていると思っているので以下取り上げない)
筆者の印象論としての答えは、労働者が弱いから、となる。
すし店従業員、ならびに寿司職人の組織化などの状況は知らないが、「正社員とアルバイトで同じ仕事をしているのに賃金が大きく違う」のは、おそらく日本に限らないが、正社員を守るために、数的に正社員として採用するのが難しい人を非正規雇用にしたという話だからである。昨今、「同一価値労働同一賃金」が叫ばれているが、それは正社員として採用するのが難しい、主に女性の賃金が、非正規雇用ゆえに低くて、それが不正義だから叫ばれるのである*1。
「以前働いていたカナダの日本食レストランの時給は2千円近いこともあり、人手も不足していませんでした」ということであれば、日本の労働者一般の戦う能力が弱いということを推測してしまった。むやみやたらにストライキをすればいいわけではないが、時給や賃金が安すぎるのであれば交渉するしかないのだから、筆者の印象論はあながち間違っていないだろう。ましてや、日本経団連が支持する政党、すなわち自由民主党が、1955年体制以後ほぼ政権を維持しているわけだから、政治面でも労働者側に力があるわけがないのである。筆者の主張を信じるのであれば、入れる政党がない場合は、労働組合が支持している政党(立憲民主党、国民民主党、社会民主党、日本共産党、あたり)のどこかに入れるのを基本にするのも悪くないと思う。
筆者は経済学者ではないので、根拠薄弱な文章になってしまったが、労働者側が弱い日本であるというイメージは持っておいて損はないと思う。