清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

社説がね 壊れちまった 読売の(2)

 「社説がね 壊れちまった 読売の」

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

の続編というわけではないが、趣旨は似ているので、タイトルを共通にする。

 

 読売新聞の社説の壊れっぷりは相変わらずのようだ。本記事で検討するのは、2023年6月4日社説「自公候補者調整 難航の背景に選挙制度の限界」である。

www.yomiuri.co.jp

 

 社説によると、

 選挙の区割り変更に伴う候補者調整の難航は、自公だけの問題にとどまらない。根本的な原因が選挙制度にあるからだ。

 地方から都市部への人口移動に伴い、衆院は「1票の格差」を是正するため、区割りを見直してきた。今後も区割りの変更が繰り返されることになると、与野党を問わず、頻繁に候補者調整を迫られる。有権者も混乱しよう。

 現在の制度は限界を迎えているのではないか。与野党は、改革の議論を急ぐ必要がある。

という。

 

 もちろん、社説のホンネは、その前の部分、つまり、自由民主党公明党の連立政権が続くことを望んでいるというところなのだろうが、そのためには、例えば都市部の1票の価値が低くていいということなのだろうか?*1 日本国憲法第14条には法の下の平等が定められているのだが。というわけで、平均程度の能力があれば、読売新聞の社説が壊れていると認定できるだろう。

 

 この社説は、衆議院議員選挙の区割りの話である。もし社説の言うように「根本的な原因が選挙制度にあ」り「現在の制度は限界を迎えている」のであれば小選挙区制を廃止すべきとなるが、その対案を示さないのではアンフェアである*2。実際には小選挙区が悪いのではない。

 

 小選挙区の区割りは、国勢調査に基づいて行われる*3。人口動態が変わるのだから「区割りの変更」や「候補者調整」は当たり前で、平均以上の有権者は何ら混乱しない。

 

 小選挙区の是非はさておき、読売新聞2023年6月4日社説のような問題点はなく、むしろ、都市部の投票価値を低くしようとしている読売新聞の方が、日本国憲法下においてふさわしくなく、廃刊にした方がいいということのようだ。

*1:調べて見たらそうだった。2023年5月3日社説「憲法記念日 時代の変化踏まえ議論を急げ」(

https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230502-OYT1T50241/

)によると、「◆投票価値に固執するな/近年、「法の下の平等」を重視する司法の要請を踏まえ、衆参両院は「1票の格差」を是正する選挙制度改革を進めてきた。/だが、地方から都市への人口流入で、今後も格差は拡大する見通しだ。「法の下の平等」を投票価値の平等と読み替え、厳格な格差是正を行えば、地方の議員は減り続けることになる。/(中略)/世論調査では、衆院選挙制度について、「1票の格差にこだわる必要はない」と答えた人が52%で、「格差の是正を重視する方がよい」の42%を上回った。地方の声が国政に反映されなくなることを懸念する人が多いのだろう」とある。

*2:「閣僚を辞任に追い込むことを得点のように考え、政策よりも疑惑の追及を優先する。そうした姿勢では国民の期待に応えられまい。野党は、旧態依然とした論戦の挑み方を改めなければならない。/少子化による人口減や安全保障環境の悪化など、日本は危機のまっただ中にある。難局をどう乗り越えるか、有効な方策を論じ合うのが国会の本来の役割だ」(読売新聞2023年4月3日社説「後半国会 課題を直視し建設的に論じよ」(

https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230402-OYT1T50205/

)とあるが、読売新聞は何ら「方策」を出していないのだから、間違っていない。

*3:総務省HP「衆議院小選挙区の区割りの改定等について」(2023年6月6日アクセスの内容。

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/shu_kuwari/shu_kuwari_4.html )によると、「今回の区割り改定と定数改定は、令和2年の大規模国勢調査の結果による日本国民の人口に基づいて、一票の較差是正のために行われました」とのこと。