清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

中川が またやったけど 一理ある

読売新聞2006年10月16日(昨日)朝刊(東京本社版第13版2面(仙台では))によると、中川昭一自由民主党政調会長が、15日(一昨日)のテレビ朝日報道番組で、「(日本の)憲法でも核保有は禁止されていない。核があることによって(他国に)攻められる可能性が低くなる。あるいは、やれば、やり返す、という論理は当然ありうる。議論は当然あっていい」と言ったそうだ。

この発言に、連立与党の公明党、野党の民主党など、各方面から批判が相次いだ。

中川昭一さんは以前から物議をかもす言動が多いので、またやったかという思いもあるが、この発言はそれだけではない。詳述しよう。

まず、「(日本の)憲法でも核保有は禁止されていない」というのはよくわからない。たぶん憲法第9条第2項の「戦力」に該当しないということなのだろうが、標準的な憲法テキストである芦部信喜憲法』(新版補訂版。岩波書店)によると、憲法学会の通説の定義では、「軍隊(外敵の攻撃に対して実力をもってこれに対抗し、国土を防衛することを目的として設けられた、人的・物的手段の組織体をいう)および有事の際にそれに転化しうる程度の実力部隊」であり、政府の定義では、「近代戦争遂行に役立つ程度の装備・編成を備えたもの」である。政府はさらに「自衛のための必要最小限度の実力(他国に侵略的な脅威を与えるような攻撃的武器とされる)は、憲法で保持することを禁じられている「戦力」には当たらない」としている。憲法学の通説の定義では核兵器は有事の際に外敵の攻撃に対抗できる武器を持つことになるので違憲だと思うし、政府の定義では「自衛のための必要最小限度の実力」とはいえないので(核兵器を持つことしか自衛できないとはいえないし、核兵器の脅威から防衛できるともいえない)やはり違憲だと思う。どちらの定義にしても核兵器を持つことは憲法上不可能であろう。

しかし、それとは別に、「議論は当然あっていい」と思う。「自衛のための必要最小限度の実力」とはいえないことは前述したが、やはり朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)の核兵器による暴発を防ぐために核を持つことも考えられるからである。唯一の被爆国なので被害者の立場も考慮しなければならないのはわかるが、現在の国民が安全に生活するためには議論もしなければならないだろう。もっとも、戦争を回避するために話し合いのほうが重要なのは言うまでもない。