清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

非正規が いるのは非正規が あるからだ

今日の読売新聞朝刊総合面2頁(仙台では)に、読売国際会議2007の開幕フォーラムについての記事が載っているが、そこで、「再チャレンジ担当の山本金融相が、若者の非正規雇用が増えている原因として、「進路を決めなければいけない時期が早すぎ、才能、能力の分析が本人も社会も出来ていない」と指摘し、いったん就職した後でも転職しやすい複線型社会を目指すべきだと訴えた。さらに「裁判官も学校の先生も、新卒一括採用を見直し、社会に流動性を持たせることが大事だ」と述べ、就職後に転職しやすい環境を作り、個人の能力を生かせる社会にすべきだと主張した」そうだ。(「再チャレンジ」~「主張した」まで、新聞記事を引用)。

この発言は、結構おかしいところが多い。以下、検討する。

ー禺圓糧鸚亀雇用が増えている原因として、「進路を決めなければいけない時期が早すぎ、才能、能力の分析が本人も社会も出来ていない」と指摘したが、おかしいのではないか。もしそうなら、大学進学率が低い時期のほうが非正規雇用が多いはずだが。本当は、派遣業務の原則自由化など、企業側が非正規雇用を増やしたのが原因なのだ(最近は正規雇用が増えているようだが、一時期は本当に非正規雇用が増えていたのは記憶に新しいところ)。

◆嶌枷輯韻盂惺擦寮萓犬癲⊃径完豎膾陵僂鮓直し、社会に流動性を持たせることが大事だ」というが、裁判官や学校の先生が新卒一括採用というのは初耳だ。裁判官は、司法試験に受かり、司法修習をする中で選抜されるし(新卒の人が多いとすれば、それは裁判所側が選択しているのであり、決していわゆる新卒一括採用をしているのではない)、学校の先生だって、(ア)教職課程を修了しないとそもそも採用のスタートに立てない(大学卒とは別)、(イ)いったん社会に出て一念発起して修了する人もいる、(ウ)採用がない場合に再チャレンジして採用される人もいる、以上の理由で、これも新卒一括採用ではない。この発言の真意は、(とりわけ思想的に)気に入らない人を排除したい(最近では特に学校の先生。昔は裁判官の再任拒否というのがあったが、最近はあまり聞かない)ということであろう。

それにしても、政治家は、自分たちのフィクションに基づいてやっているのだなぁ。現実を見てやらないと、間違えると思うのは、単純なのだろうか。

*なお、本記事の「新卒一括採用」は、民間企業がするような、卒業予定者を採用条件とする場合のことを意味する。民間企業の場合は、卒業予定者でない場合(卒業した場合など)は、中途採用となるところが多い。もっとも、最近は、通年採用のところもあるようだが。