清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ドラフトFA 巨人の案は おかしいよ

西武ライオンズの裏金問題で、プロ野球のドラフト会議の改革論がかまびすしい。そのドラフト会議の改革案を読売巨人軍の清武代表が出した。これが結構おかしいので、以下、検討する。

0 現行制度
まず、現行制度は、既入団選手、高校生、大学・社会人、各ドラフトがあり、ともに最低9年でFAの権利を取得する。また、大学・社会人ドラフトの場合は、希望入団枠というものがあり、最高1人選手側が球団を選べる。そのほかはウェーバー制である。また、高校ドラフトの1巡目は抽選、そのほかはウェーバー制となっている。

1 読売巨人軍清武流改革案
(1)まず、ドラフトを、育成型ドラフト(主に高校生が対象だと思う)と即戦力型ドラフト(主に大学・社会人が対象だと思う)に変える。

(2)FAの最低取得年数について、
。映後は、既入団選手は7年、育成型ドラフト指名選手は6年、即戦力型ドラフト指名選手は5年とする。

■嫁後以降は、既入団選手は6年、育成型ドラフト指名選手は6年、即戦力型ドラフト指名選手は5年とする。

ただし、海外移籍の場合は9年とする。

(3)即戦力型ドラフトの指名順は日本シリーズ敗退リーグの最下位から指名するウェーバー方式、育成型ドラフトの指名順は日本シリーズ優勝チームから指名する逆ウェーバー方式とする(日本型ウェーバー方式というそうだ)。

(4)なお、現在の大学・社会人ドラフトで採用されている希望入団枠は廃止する(これは妥当だと思うので、以下では検討しない)。

2 清武案のここがおかしい
(1) まず、育成型ドラフトと即戦力型ドラフトに分ける必要はない。即戦力か否かはやらなければわからないし、あわせてやっても別に問題があるとは思えないから。むしろ、ドラフト外の復活(ドラフト指名のほうが初年度の年俸が高いようにする)が議論されるべきだろう。なお、末尾の参照記事によると、「育成型ドラフトは、日本シリーズ優勝チームから順に」指名するとあるが、これは本来高校生ドラフトを作った経緯(進路の早期確定。ただ、本当に理由があるかはわからない)と矛盾する(たぶん、前年度日本シリーズ優勝チームから順に指名するのだろう)。

(2) ,砲弔い討蓮∀働基準法上の有期契約の上限は5年であるから(労働基準法第14条第1項)、プロ野球のFA権取得も最低5年とすべきである。というのは、プロ野球の選手契約は二面性を持つ契約だから、すなわち、普通は期間1年の契約だが、その一方で、現在では最低9年経たないとFA権を取得できないので、9年の長期有期契約の一面を持つからである。

 について、海外流出を防ぐために海外移籍に限りFA権取得を9年にする必要はない。ポスティング制度がどうなるかはわからないが、現在ではポスティング制度があるので海外流出を防ぐことはできないことと(選手の希望、日本球団の収入、メジャー球団の選手獲得、とそれぞれメリットがあるから)、海外流出がいやなら各球団が努力すべきだからである。付け加えると、プロ野球は、他のスポーツと比べて、選手の海外挑戦(球団側からすると流出になるわけだが)に消極的だ。サッカー選手や、期限付きでブラジルに移籍したバレーボールの「ごっつ」こと石島雄介選手(堺ブレイザーズ)も「流出」になるのだろうが、それでそのスポーツがつまらなくなったか、考えていただきたい(海外も楽しめ、日本のも楽しめるというのが現実ではないか。もっとも、バレーボールのほうはブラジルのを知らないので、確信は出来ない)。

(3) 2(1)より、2つのドラフトに対応して指名順を反対にする必要はなく、奇数順位は日本シリーズ敗退チーム所属リーグの最下位チームから指名し、偶数順位は日本シリーズ優勝チームから指名する方式にすればよい。

参照記事
読売新聞3月14日朝刊スポーツ面21頁