アメリカ合衆国のバージニア工科大学で起きた銃乱射事件で、NBCテレビが、被疑者の声明が録画されたビデオを放映したことについて、批判が広がっている(詳細は右記の読売新聞のサイト参照。http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070420i106.htm)。
上記の読売新聞の記事は、「放映の是非に関する意見は様々」と書いてあっても、放映に慎重であるべきという意見しか載せていないという問題は残るが、私も放映には慎重であるべきであったと思う。以下に理由を記す。
1、一般論として、犯行声明を放映する必要がないと思う。放映すると、悪いことをすれば聴いてもらえると錯覚しかねないから(デモやストライキの場合は別。逮捕されることがあっても、それ自体は悪いことではないから)。例外は、放映することが人命救助のためになる場合ぐらいだろう。
2、この事件は被疑者が死んでしまったので、なおのこと声明放映に価値は無いと思う。
3、韓国人(大韓民国の国籍を持っている人)ということが明らかになった今、このような映像を流すことによって、韓国人に対する偏見を助長しかねない。
なお、被害者感情に触れなかったのは、被害者の中に動機を知りたいという人がいる可能性があるからである(被害者をひとくくりには出来ない)。
ところで、NBCテレビさんとしては、視聴者の知りたいこと、知るべきことであるとして放映に踏みきったのであろうが、貴重な映像、時間なのだから、もっとほかの事を放映すべきだろう(被疑者の動機よりアメリカ銃社会の不都合を報じるほうが大事)。