自由民主党支持新聞としておなじみの読売新聞(あと、産経新聞もそうなのかもしれないが、読んでいないので、言及は差し控える)を読むと、先の参議院議員選挙で民主党が第1党になったのがよほど面白くないのか、ねじれが政治的混乱を引き起こすという趣旨の記事が目立つ。例えば、今日の1面(仙台では)、日本銀行総裁の任命について民主党に拒否権があることを取り上げ、「戦々恐々」などと表現している(これは、法律(憲法第59条)と憲法改正(憲法第96条第1項)以外は、衆議院が優越するように憲法や法律をすれば足りることで、今回の選挙の結果とは関係ない)。
しかし、二院制の妙味は、むしろ衆議院と参議院の第1党が異なる、いわゆるねじれ現象のときに発揮されるのではないか。
議会の歴史というのはよくわからないが、二院制を採用するのは、貴族院制であれ、連邦制であれ、民衆の意思と異なる(別の)利益を確保するためにあるように思う。それなら、どちらも民選の現在の日本の二院制は意味がないと思われるかもしれないが、その時々の微妙な意思を反映していたり、少数意見も尊重されたりしているとすれば、特に問題はない。
あえて問題視すれば、衆議院、参議院、ともに選挙制度が小選挙区比例代表並立制(参議院は小選挙区大選挙区比例代表並立制。あと、衆議院、参議院の比例代表の方式(衆議院は拘束名簿式、参議院は非拘束名簿式)が違う)なのが問題といえようか。