清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ひさしぶりに 橋下ブログ 見てみたよ(3)

「ひさしぶりに 橋下ブログ 見てみたよ(2)」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/37198201.html
の続きです。

3.2007年 11月 11日「緊急!!今枝弁護士より求釈明書を受領した方へ(2) 」(橋下徹のLawyer's EYE(http://hashimotol.exblog.jp/
から)

(1)「平成19年4月24日の最高裁判例」(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070424155439.pdf
によると、弁護士法第58条第1項「に基づく請求をする者は、懲戒請求を受ける対象者の利益が不当に侵害されることがないように、対象者に懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠について調査、検討すべき義務を負うものというべきである。そうすると、同項に基づく懲戒請求が事実上または法律上の根拠を欠く場合において、請求者が、そのことを知りながら又は通常人であれば普通の注意を払うことによりそのことを知り得たのに、あえて懲戒請求するなど、懲戒請求が弁護士懲戒制度の趣旨に照らし相当性を欠くと認められるときには、違法な懲戒請求として不法行為を構成すると解するのが相当である」そうだ。本件懲戒請求不法行為を構成するかは正直言って難しい。ただ、「報道等で明らかになっている範囲であれば,虚偽でも何でもありません。それで十分です。」と言えるかはわからない。報道の範囲内であれば、私は懲戒事由がないと思うが。もっとも、法律のことをよく知らない人であれば、「品位を欠く」(弁護士法第56条第1項)と取ってしまうかもしれない。

(2)「虚偽告訴罪は,真実を偽った告訴をした場合です。繰り返しますが,皆さんが日常生活において見聞きした弁護団の活動を請求書に掲げたのであれば,虚偽にはなりません。メディアが全て真実を報じているわけではないでしょうが,メディアの報道に誤報があっても,皆さんはそれを真実だと信じたわけであり,故意はありません。」→「噂話」ならば「未必的故意がある」とされた判例があるが(最高裁判決昭和28年1月23日刑事判例集7巻1号46頁。「事実の真偽を十分調査せず、事実の存在に確信がない」という事実認定が決めて?)、報道ならばどうなのだろう(成立するならば、ブログの閉鎖も検討か。私の記事も新聞社のサイト等の引用をよく用いるので)。

(3)「常識的に判断すれば,これは請求者を不安にし,懲戒請求を取り下げさせる文書以外の何ものでもありません。」→私が見た限りでは、懲戒請求を取り下げろという旨の記述すらなかったけどな。「それに伴う手続き上の負担とその責任」は、たぶん今枝弁護士は訴えの提起(又は告訴)を検討しているのでしょうな(脅迫罪に関して言えば、真実権利を行使する意思がなく、相手を畏怖させる目的で告訴権の行使をちらつかせたときは脅迫に当たるとする判例がある(大審院判決大正3年12月1日大審院刑事判決録20輯2303頁。西田『刑法各論』参照))。ただ、弁護士法に基づく懲戒請求については、私が勉強する必要があるようだ。

(4)「請求者に直接接触を図るなど,普通に考えたら絶対にやってはいけない行為でしょう。(中略)皆さんの会社でのセクハラ告発を考えてみて下さい。セクハラをしたと告発された上司が,告発した部下の女性に接触をしたら,それだけでもう終わりでしょう。」→状況が違うことを同じものとして例えるほうが「もう終わり」だと思うが。

(5)「光市母子殺害事件の被告人は,弁護団の主張に基づいたとしても,何の罪のない2人の命を奪い,姦淫したことに間違いない。それが殺人なのか傷害致死なのか,強姦なのか死姦なのか,そういう法律論議は置いたとしても,2人の命を奪ったことには間違いない。」→刑罰は全然違うのだから、「法律論議は置」けないな。
 
(6)「それを被害者遺族のことは考えず,被告人の利益のために活動することが正義として今枝弁護士は世間から批判を受けるような弁護活動を展開した。」→被告人の利益のために活動する(委任者のために活動する。民法第644条参照)のは当然で、「今枝弁護士は世間から批判を受ける」のは当然だとは思わないけど。被害者遺族に配慮すべきとしても被告人の利益を犠牲にするのでは「委任の本旨」(民法第644条)ではないと思うが(被告人の利益>被害者遺族に対する配慮)。

(7)「死刑廃止論とか,刑事弁護とかを,被告人の人権,被告人の命のみを中心に考えると偽善に満ちた議論になることがすぐに分かります。」→それら「のみ」を考えている議論ってあるの(団藤重光「死刑廃止論」をはじめとして)?また、「被告人の人権,被告人の命のみを中心に考える」のは仕事なんだからしょうがないじゃん。

(8)「被告人の人権,被告人の命など,薄っぺらなヒューマニズム」?橋下さんのこの説が「薄っぺら」でしょ(過去にどれだけ人権や命が軽んじられたかも知らないの?といっても、統計はないけど。でも、イロハの知識だと思うが)。

(9)「世間の注目を集める刑事裁判ではやり過ぎなぐらい被告人の立場に立って考えていた」?事実を争ったり、責任能力に疑問を呈するのが「やりすぎ」?それじゃ、検察官主張の事実などを争わないのが弁護人の仕事?

(10)「事件当事者でない一般市民から懲戒請求を受けた弁護士が,請求者たる一般市民に対して,このような求釈明書を送りつける行為は,懲戒手続きの崩壊をもたらします。」→実感ないなぁ。自信があれば答えればいいだけの話だと思うけど。

(11)「彼(今枝弁護士)は,一審,二審の弁護士の弁護活動が不十分だったことを詳細にブログで説明しています。彼の主張することが事実であれば,それこそ,これも懲戒事由にあたると思います。」→これも状況が異なる(差し戻し審では、事実を争うリスクが減少している(反省してもたぶん死刑))。

橋下さんの主張が相変わらずおかしいと思う反面、自分のブログも問題はないかを考えさせられる記事であった。