5月4日の読売新聞朝刊社説の1つは、「硫化水素自殺 巻き添えの被害も深刻だ」(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080503-OYT1T00694.htm)
。
内容を要約すると、硫化水素による自殺はインターネット上の自殺サイトが原因なのだから、排除すべきであるというもの。
私自身は確認していないが、硫化水素の生成方法が書かれていれば、そういいたくなる気持ちはわかる。
しかし、肝心なのは、そもそもなぜ自殺をするのかということである。
自殺する気がなければ、硫化水素のことが書かれていても別にどうということはないからである(ところで、書籍にも書かれていないか?)。
若者の自殺というのは、流行も一部含まれているが(デュルケルム『自殺論』(中公文庫)にもあったと記憶する)、現代の日本社会に原因はないのか。
若いのだから何とか生き抜け、というのもわかるが、単なる根性論で、生産的ではない。
情報よりも、自殺を誘発する社会状況のチェックが、マスメディアのみならず、皆様にも求められよう。