今日の読売新聞朝刊文化面17頁(仙台では)によると、岩波新書が創刊70年を迎えるという。
めでたいことではある。
ただ、最近の岩波新書は、読んで見たいと思うものが少ない。
以前の岩波新書は、学問の啓蒙書の色彩が強いイメージがあったが、最近のものは、こうしたものが少ないように思う。別に岩波新書でなくてよい砕けた内容・イメージのものが多いと思うのは、気のせいであろうか。ただ、労働問題には好著がある(森岡孝二『働きすぎの時代』、中野麻美『』など)
新書の御三家といえば、岩波、講談社現代、中公だが、講談社現代新書は、古いものは学問の啓蒙書として参考になるものが多いが、最近のは与太話ではないかと思うのが多いし、中公新書も同様である。
むしろ、最近元気なのは、ちくま新書と、平凡社新書である。
ちくまで言えば、有名な『ウェブ進化論』、有名ではないが『哲学思考トレーニング』など、有益な情報がコンパクトにまとまっているものが多い。
平凡社新書は、着眼点がいいと感じるものが多い。『学生による教育再生会議』、『東大生はどんな本を読んできたか―本郷・駒場の読書生活130年』など。
逆にダメなイメージを持っているのが新潮新書。売れることや読みやすさは大事だが、ウケ狙いのものが多いように感じる(たとえば、藤原正彦『国家の品格』にそういう感想を持った)。
このように、新書も、会社によって個性があると感じた次第である。
*なお、以上の内容の大多数は、個人的感想、又はイメージです。