清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

期待権 認められぬの やむないか

今日の読売新聞朝刊1面(仙台では)によると、「NHK教育テレビがが放送した戦争番組を巡り、取材に協力した民間団体が「当初の説明とは異なる趣旨に番組内容を変更された」として、NHKと下請け会社の製作会社2社に」「損害賠償を求めた訴訟の上告審が12日、最高裁第1小法廷であ」り、いわゆる期待権を認めない判断を下した。

とりあえず、判決要旨は、47NEWS「NHK番組改編訴訟判決要旨 最高裁第1小法廷」(http://www.47news.jp/CN/200806/CN2008061201000673.html
を御覧頂きましょう。

大まかに見ると、多数意見は例外を認めた上でそれにあたらないとしたのに対し、横尾和子裁判長は認める余地はないとしているが、結論は、本件では期待権は認められないということだ。

本件の場合は、おそらく、「当初の説明とは異なる番組内容」だったとしても、民間団体に、損害が発生していないと事実認定したのだろう。ただ、「当初の説明とは異なる番組内容」だったので、精神的苦痛を受けた、という場合はどうなのだろう。請求の趣旨及び原因(民事訴訟法第133条第2項第2号)を見ていないのでなんともいえないが、精神的苦痛があったから訴えたんじゃないのかな?

それはさておき、気になるのは、「対象者にとって取材を受けることが大きな負担になり、それを取材担当者が認識した上で「必ず一定の内容、方法で取り上げる」と説明したことで、対象者が取材に応じることを決めた場合、その期待、信頼は法律上保護される利益となる」のくだり。大きな負担とは何だろうか?このような基準は、実質的に機能するのだろうか(「対象者にとって取材を受けることが大きな負担にな」れば、そもそも訴えを提起するだろうか。たとえば、匿名で取材に応じたことを想起すると、訴訟をすることは、実名がばれるというリスクがある。民事訴訟法第133条第2項第1号)?

ただ、表現の自由が保障されなければいけないという観点はよくわかるので、この判決の結論はやむを得ないのだろう。

もっとも、裁判官のホンネは、「原告団体許すまじ」かな?