清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

国選の 問題だけじゃ ないんだな

今日の読売新聞朝刊4ページによると、国選弁護人の報酬の増額を法務省が検討しているという。

記事によると、「国選弁護制度は日本司法支援センター(法テラス)が運用しており、法テラスに登録されている弁護士は1万3427人(4月1日現在)で、全弁護士の半分程度」だという。民事における弁護士強制制度を採っていない日本としては、弁護士しかできないはずの刑事弁護、そして、困った人のための国選弁護をしようという人が「全弁護士の半分」であるというのは問題だろう。しかし、弁護士にも色々都合があり、なおかつ、今までの報酬の安さを考えると、弁護士だけを責められないわけで、この観点からも、報酬見直しは当然である。

ところで、報酬増額の背景の一つに、裁判員制度があるようだ。すなわち、裁判員裁判が始まると、「弁護人はその間、他の業務ができなくなり、事前準備にも時間と手間がかかるため、日本弁護士連合会は国選弁護人の報酬を引き上げるよう要求していた」とか。

この点からも、報酬増額は大事だ。ただ、そもそも、施行予定の裁判員制度が妥当かの検討は(日弁連に限らず)必要だろう。

たしかに、集中審理をすれば、被告人の手続きからの早期解放に資する。しかし、それがために、被告人の主張が制限されてはいけない。また、他の業務が出来ないこと自体が、国民の司法アクセスに対する重大な制約になりうる(頼みたい弁護士が刑事弁護をした場合を想起)。ゆえに、集中審理をする陪審類似の裁判員制度は、考え直したほうがよいと思うこともあるこのごろである(国民参加自体は反対ではないが。代わりに、一定期間、希望者に裁判官になってもらう制度(ドイツの参審制はこのような制度)の方が日本にはいいかもしれない)。