清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

清武さん 本当に記者 だったのか

某日、週刊ベースボール2008年9月29日号を見た。そこでは、例の田沢(NPBを経ずにメジャー挑戦の意思を示した初のドラフト有望株)問題についての記事が充実していた。

まず、9ページに、メジャーのドラフトのことが載っている。すなわち、ドラフトで指名される約1,500名のうち、メジャー契約に至るのはわずか2、3名とのこと。そして、その場合の契約金の平均が300万ドル(約3億2,000万円)とのこと。日本と違って青天井との説もあるが、比較自体が不適当だと思う(もちろん、これが本当であればという留保付き)。

NPBの運営に影響力のある、読売巨人軍の球団代表、清武英利さんの「野球は幸せか(38)」も見る(p90,91)。

清武さんは、元社会部次長とのこと。つまり、記者さんだった人である。しかし、内容は、記者さんだったのか?と思うところがあった(意識、見方において)。

まず、一般の就職活動は、(使用者側の申し込みの誘引に対し、)求職者側が申し込み、試験に合格すれば使用者側が承諾するものである。

一方、野球の場合は、使用者側(球団)が申し込みをし、求職者側(野球選手)が承諾する流れになっている。

これを、清武さんは「球団を選ぶ権利」がないとして、「人の道はその人自身が決める」のがいいとしている。

たしかに、球団によって、待遇が異なるので、選べないことに多少問題はある(しかし、これは、活躍して年俸アップなりするか、FA短縮で対処すべし)。しかし、そんなにかわいそうなことなのか?一般の就職活動だって、「人の道はその人自身が決める」とは言えない。ためしに、読売新聞(親会社)は、就職試験をやめて、希望者全員を採用して、記事を書かせてみますか?なお、NPBを選ばないで、日本の独立リーグなど、野球選手の道はいろいろあることからも、あまりかわいそうだとは言えない。

p91で、ドラフトの「指名拒否」や、「指名回避」のことに触れているが、一説によると、本場アメリカでは半数がドラフトの「指名拒否」などがあることをご存じなかったのだろうか(『マネーボール』(ランダムハウス講談社)で読んだ)。

そもそも、「国内では好きな球団に行けなくなった」(p91)ら大リーグという人がいるとは思えないので、この問題意識もダメ。

「大リーグは何の規制もない」とも書いているが(P91)、アメリカ、カナダ、プエルト・リコの人はウェーバー制の(抽選なし)ドラフトがあり、有力選手ほど好きな球団を選べないはずである(ドラフト外があるのが日本との大きな違いで、日本も復活させるべきだろう。ドラフトしかチャンスがないのは「かわいそう」だと思うが)。日本のドラフトもレヴェルは変わらない。また、「契約金」については、単純な比較が妥当だとはいえないことは、既に述べた。

もちろん、「球団が好きな選手を選べないのがかわいそう」だというホンネはわかっている。しかし、この文を見た限りでは、清武さんは、記者さんとしての意識(事実追及)や見方(事実を見たり、分析するようには見えなかった)がダメで、実際はひたすら主筆に媚びていたのだろうか。