清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

中山さんの インタビューをね 検討す(上)

中山成彬国土交通大臣のインタビュー記事が、MSN産経ニュース、「日教組批判は取り消すわけにはいかない中山前国交相インタビュー(上) 」(http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080930/stt0809301133003-n1.htm
、「「徹底してやるしかないんじゃないの」妻の言葉に押され 中山前国交相インタビュー(下)」(http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081001/stt0810011052002-n1.htm
(*なお、ともに第1回のみページを記す)に載っている。いくつかトンデモ発言があるので、以下において検討したい。

まず、(上)。

「なぜ日本は社会整備が遅れているのかということについて聞かれ「ゴネ得」という言葉を使ってしまった」→どう遅れているのかは主観だろうが、「社会整備が遅れている」という問題意識自体は悪くない。ただ、成田闘争については、戦後教育が原因かは断言できないだろう。

「観光振興に関して、なぜ日本人は内向きなのかという質問があったので、やはり島国の中で長い間、他国とのあまり交流がなかったという、「まあ何というか、単一民族というか」と言ったんだけれども」→「他国とのあまり交流がなかった」は間違っていないが、原因は江戸幕府鎖国だろう。また、だからと言って、「単一民族」という言葉を用いるのは正確ではない。「もう少し開いた民族にならないといけない」と言うのはわかるけど。

「今の親の子殺しだとか無差別殺人だとか、汚染米と知りながら金儲けのためには売ってしまうという、何というか本当に道徳性が地に落ちている」→管賀江留郎さんの『戦前の少年犯罪』(築地書館)を読めば、「道徳性が地に落ちている」などとは語れないだろう。昔だって、「道徳性が地に落ちている」ような事件はあったし、親殺しなどは、有史以来あるだろう。

根拠も示さずに(インタビューだから仕方がないのかもしれないが)、「民主党などはですね、政権をとるために国民を騙してでもいいという考えで、まさに「公約偽装」というべきひどいマニフェストを作っている」と誹謗中傷する自由民主党の中山さん。「天下の公党がこれでいいのかと」。

「戦後の教育ね。権利と自由だけが声高に叫ばれ、その裏側にある義務と責任がないがしろにされてきた結果」→そのわりには、最近はストライキもないし、有給休暇の取得も進まないし。戦後教育を受けた人の大多数は、権利と自由を声高には叫ばず、義務と責任をないがしろにせずに暮らしているのではないか?

「戦後日本に入ってきた個人主義というのは、日本ではもう自分だけよければいいという利己主義に変わってしまうと。やはり教育が一番大事だ」→そのわりには、自主憲法制定を主張しており、矛盾する。まずは憲法第13条の教育が必要だろう。

「一番いまの教育をゆがめているの日教組だと。(中略)一部の過激な分子がいてね」→誰?言ったら名誉毀損だし。こういうことを公の場でしゃべることが不適当。

「国旗国歌も教えない、道徳教育も反対する」→現在は、社会で国旗、音楽で国歌を教えていないかはわからないが、式典で国旗を掲揚せず、国歌を歌わないことを念頭においているとすれば、思想・良心の自由(憲法第19条)の問題もあり、反対にも一理あるんじゃないか?「道徳教育」については、「心のノート」を見る限りでは、自由民主党的価値観に染めるマインドコントロールになっているのだから(一言で書けば、権利の主張を抑えようとしている)、道徳教育の方が問題だろう。

「大分のことも、「大分」という名前を出したのはいけなかったけれど、マスコミで報道されないけれど、本当はあそこもやっぱり日教組なんだと。日教組の先生(の子供)が成績が悪くても先生になる」→大分県教育委員会汚職については、2008年9月28日のNHK日曜討論において、社会民主党所属の出演者が、「日教組関係者ではない」と語っているが(NHKニュースで見た)、どちらが本当だろうか。

社保庁の組合、自治労ですよね。この2つが民主党の大きな支援母体なんですね。(中略)非常に組合が強いんですよ。労使交渉で世の中、全部機械化になっていても、機械化に反対。労働強化になるからとずっと反対してきた。最終的に機械化を受け入れる条件として、スカスカの労働条件という甘い処遇」→これは、組合が不当かはわからない。最近読んだ『テクノストレスに効く55の処方箋』(佐藤恵里 洋泉社新書y)によれば、コンピュータ(機械化はこの趣旨だと記憶)で1時間作業したら、10~15分の休憩が必要という趣旨のことが書いてある(そして、このことはよく言われる)。これからすると、他の組合がきちんと主張しないほうが問題かもしれないではないか。

「去年の参議院選挙、民主党比例代表社保庁職員は50万票取りましたよ。社保庁の職員は1万ちょっとしかいない。だから結局、仕事をはしないで政治活動ばっかりしていたというのが年金記録問題」→へぇ、49万票以上は、社保庁職員じゃないんだ。「仕事をはしないで政治活動ばっかりしていたというのが年金記録問題」という根拠になるとは思えないが(民主党員=組合関係者とは限らないから)。

「組合費ですか、これたくさん上納してきますけれども、これは「労働貴族」ですよね。ついでにいえば、その組合から支援されている民主党の議員ていうのは「選挙貴族」ですよ。票も金も組合が出してくれるんだからね。まあ、自民党の議員ていうのは一人一人、金を集めてドブ板選挙をやってくるんだけど」→そうか?日本経団連や所属企業から多額の政治献金を受けているのはどの政党だったっけ?「票も金も組合が出してくれる」割には、何で民主党政権にならないの?おそらく、事実に反するのだろう。

自治労日教組に支援されている民主党が政権をとるとどうなるか。端的にいえば、それが大阪府だということですよ。=続く 」