清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

大江さんが 勝ってしまうの やむないよ

MSN産経ニュース沖縄ノート出版差し止め訴訟 2審も原告側の控訴棄却 大阪高裁 (1/2ページ)」(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081031/trl0810311551011-n1.htm
によると、「先の大戦末期の沖縄戦で、住民に集団自決を命じたとする誤った記述で名誉を傷つけられたとして、旧日本軍の元戦隊長らが、ノーベル賞作家の大江健三郎氏(73)と岩波書店(東京)に、大江氏の著書『沖縄ノート』など2冊の出版差し止めや損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、大阪高裁であ」り、判決は、「原告側の請求を退けた1審大阪地裁判決を支持、控訴を棄却した」という。

名誉を傷つけられた原告にはお気の毒だが、やむを得ない判決だろう。

上記MSN産経ニュースによると、「軍命令説がかつて通説だったことも踏まえて大江氏らが出版時、真実と信じる相当の理由があったとする「真実相当性」を認めた」とのこと。…明發鮨じるのがやむを得ないこと、∈邁箸調査していないというのが普通考えられないこと、以上2点から、この判断は仕方ないのだろう。

「今は真実性が否定されたのに出版を継続している」(上記MSN産経ニュース)ことについては、私は歴史の専門家ではないので、結論は出さない(もっとも、上記MSN産経ニュースによれば、判決では、「「記述が真実でないことが明白になったとまではいえ」ないと判断した、という)。それを差し引いても、「真実性が揺らいだ場合でも、高度な公共の利害に関するもので公益性がある出版をそのまま継続することは違法ではない」との判断がおかしいとは思えない(真実は常に変わり得るものだから(後の研究でまた覆ることがあるから))。その理由、「新資料に著者が常に意を払い、著作物の真実性を再考し続ける必要が生じる▽名誉侵害を主張する者がその度に争いを蒸し返せる▽言論の萎縮(いしゅく)を招く-と指摘」も、おかしいとはいえない(上記MSN産経ニュース表現者の利益をきちんと考慮しているといえる)。

名誉毀損訴訟は難しいが、「公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的がもっぱら公益を図ることにあった」(刑法第230条の2)とされたら、よほど軽率な表現者でない限り、勝つのは至難の業と感じた次第。

なお、原告を応援していると取れる、産経新聞の主張「沖縄集団自決訴訟 判決と歴史の真実は別だ」(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081101/trl0811010338001-n1.htm
は、とんちんかんだ。理由は以下の通り。 屐崢樟榲な隊長命令」の有無だったはずだ。判決は論理が飛躍しているように思える」(上記主張)だとしても、大江さんが真実と信じるにつき相当の理由があれば、名誉毀損は成立しないからである(真実でないから即名誉毀損にはならない)。◆屬海亮錣領鮖謀な叙述をめぐる名誉回復訴訟では、原告側は「一見して明白に虚偽である」ことを立証しなければ、勝訴できないといわれる」(上記主張)もミスリード。被告が真実の証明をしたので原告が敗訴したに過ぎない(原告は明白に虚偽であることを立証する必要はない)。少々話はずれるが、「歴史的事実として集団自決が旧日本軍の隊長命令だったと確定したのではない。訴訟の勝ち負けと歴史の真実は、全く別の問題である」(上記主張)ならば、裁判がどういう結論であっても、歴史家が独自の見解を出してもいいだろう。この観点からは、教科書検定反対の論陣を張るべきで(今回の裁判が原因で、教科書検定の場で意見がなされた)、もしできないならば、廃業すべきである。