MSN産経ニュース「麻原彰晃死刑囚が再審請求 執行延期が狙いか」(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081111/trl0811111050002-n1.htm)
によると、「地下鉄、松本両サリン事件や坂本堤弁護士一家殺害など13事件で殺人罪などに問われたオウム真理教元代表の麻原彰晃死刑囚(53)=本名・松本智津夫=側が、東京地裁に再審請求をしていた」という。
上記MSN産経ニュース「法務省は再審請求中の死刑囚の刑執行を避ける運用をしており、麻原死刑囚側は執行時期を延ばす意図があるとみられる」とのことだが、いいのではないか。
日本も批准している、市民的及び政治的権利に関する国際規約第6条第4項によれば、「死刑を言い渡されたいかなる者も、特赦又は減刑を求める権利を有する」からである。この条文からすると、法務省の運用は当然であり、それを変えるような事(再審請求中の死刑執行)はあってはならず、監視すべきである。
いくら被害者の人権を保障すべきでも、上記国際規約を曲げることにはならないだろう(規約自体は変えられるが(市民的及び政治的権利に関する国際規約第51条)、現在の国際状況(死刑廃止の方向)からすれば、変えるのは容易ではない)。
私自身としても、何でこの条文があるのか疑問がある。裁判所が慎重に審理した結果死刑が確定したのだからさっさと死刑にしたらいいと思うことがある。しかし、これが、国際社会で生きるわれわれ日本人が守らなければならない規約である。
そもそもは、死刑があるのが問題なわけで(死刑があるから、償いもせず減刑を求められる、と言える)、代替刑(『犯罪不安社会』(芹沢=浜井著。光文社新書)の知識を前提にすれば(無期懲役の終身刑化)、現行の無期懲役が代替刑となろう)の検討は緊急課題だろう。