読売新聞2008年11月23日朝刊11頁本よみうり堂の「ビジネス5分道場 【教訓】若いうちは仕事にハマれ」は、公認会計士の山田真哉さんの担当だった。注目の著者のようなので、さっそく一読する。
「新入社員が」ワークライフ・バランス関連の「本を熱心に読んでいるのを見ると、ちょっと違和感を覚える」に違和感を覚えた。
まずは最後まで読んでみると、「少なくとも若いうちは、「七難八苦我に与えたまえ」の精神の方が、後の成長につながる」という説教を垂れたくて書いたようだ。
説教を垂れるのはいいし、「少なくとも若いうちは」云々もそうだろうな、と思う。
しかし、新入社員がワークライフ・バランス関連の本を見るのはなぜかは考究してほしかった。
私自身、新入社員に聞いたわけではないが、普通の頭を持っていれば、以下の2つの視点ぐらいは容易に出せよう(当ブログの賢明な読者の方なら、他にも視点が出せようが、とりあえず私見を)。
第1に、新入社員が、社会で話題になっている事に関連した本を読むことの何が悪いのか。そのような姿勢がビジネスにつながるかもしれないのに。
第2に、その新入社員は、入社すると、自分の時間がなくなるということを恐れているのではないか。何と言っても長時間労働の先進国・日本。意識してライフの部分を考えないと、仕事だけの人間になり、挙句の果てには過労死・自殺になりかねないことぐらい、容易に考えられよう。
このようなことすら考えずに、説教を垂れるのではダメだ。
山田真哉さんには、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書)という本がある。さおだけ屋でも頭を働かせているのに、頭も働かせられない公認会計士は、じきに潰れるのではないか?