清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

週刊誌の ほうが「イヤ~な 感じ」だよ

年越し派遣村の記事が、週刊文春2009年1月22日号(タイトルは見出しから拝借)、週刊新潮2009年1月22日号、週刊ポスト2009年1月30日号に出ていた。ざっと読んだだけだが、どれも欠点を抱えていて、読むに値しない内容だった。以下、検討する。

1.週刊文春2009年1月22日号

どれもそうだが、取り立てて感銘を受ける部分もなく、「イヤ~な感じ」しか残らなかったが、週刊文春の記事で気になったのは、湯浅誠さん(年越し派遣村村長)が批判すべきは、国ではなくて、雇用を硬直化させた労働組合である、という内容。

もしこれが正しいとしても、住居を失った派遣社員は救われないだろう(正規雇用を解約しやすくしても、今住居と職を失った派遣社員を救うことには直接つながらない)。そんなこともわからないで記事が書けてしまう、記者の(人間性を含めた)レヴェルの低さが際立った内容だった。

2.週刊新潮2009年1月22日号

気になったのは、「派遣の落とし穴」の表現。そもそもこのような雇用形態を望んだのはどちらだ?派遣社員じゃないだろう。申し込みを誘引する側、すなわち、企業サイドだろう。そして、それに乗っかった政治家だろう。事実をしっかりと見ず、池に落ちた犬を叩くような文章を書く人は、人間失格だし、そんな記事は、いずれブログに淘汰されるだろう。

なお、「派遣の落とし穴」について一言加えると、直接雇用より、派遣社員のほうが、職を失いやすそうだ(派遣先は違約金を払えば派遣契約を解約でき、そうなると、派遣元としては、「やむを得ない事由」(労働契約法第17条)を根拠として、労働契約を解約しやすい。派遣先と派遣社員との間に労働契約法の効力を及ぼしたりする(実効性があるかはわからないが、直接有期雇用と同じにする。もちろん、派遣のメリットがなくなるが、それがどう影響するか)などの規制を強化したり、判例を変えて正規雇用も解約しやすくしたりしたほうが、具体的妥当性や平等の観点からするといいかも、と考えてしまった。

3.週刊ポスト2009年1月30日

年越し派遣村湯浅誠代表が、営利事業に参加していることについて、ジャーナリストが、イギリスでは営利を兼ねないものだと批判しているのが気になった。営利を兼ねないほうがいいかはわからないが(このことは検討されてもいいだろう)、イギリスの都合のいいところだけを引っ張っていないか?他の国はどうなのかがわからないので、ジャーナリストの見解は保留にしたほうがいいな。

なお、年越し派遣村とは関係ないが、気になる見出しがあと2つ。1つは、「御手洗「ワークシェア」の正体は「正社員リストラ」。もうひとつは「「内定取り消し学生ふざけるな」人事部の怒り」。前者は妥当な可能性があるし、差別助長になりかねない内容だ(派遣は切られてもいいが、正規雇用はダメ?同じ労働者なのに)。後者は、内定取り消しの理由の問題だろう(ニュースになるのは、企業に問題がある場合なのだろう。この記事では、学生に問題がある事例が載っているのか)。

*なお、記事全体は、あくまでも私の理解です。とりわけ派遣労働については、専門書でお調べになることを勧めます。