週刊ダイヤモンド2009年2月7日特別号の見出しに、「実録 「派遣切り」の悲惨な現実」 日比谷「派遣村」救済劇の陰で、ひっそり切り捨てられた名古屋の「ホームレス村」」とある。
これは、名古屋のホームレスの年末年始をしのぐための施設が閉鎖したことを記事にしたものだが、これを見て、派遣村は偽善だ、という批判をする人がいるかもしれない。
しかし、そもそも、資本主義を採用し、なおかつ生存権がある(憲法第25条)日本において、貧困救済は、国や地方公共団体の仕事だろう。その前提を踏まえずに、派遣村に対するずれた批判は、意味がない。
それとは別に、ダイヤモンドの記事には、結構疑問が。
池田信夫とかいう学者が政治利用を問題とするが、政治の問題でもあるから(法改正など)、意味がないだろう。
p58では、派遣社員批判とも取れる文章があるが(選んだ方が悪いという趣旨)、どう考えても、派遣会社が法律を守らないのが悪いはずだが。
p59には、「本来は不安定どころか、特定業種の業績変動の影響を被りにくい就業形態」とあるが、それなら、非正規雇用の人の生涯賃金が低いというデータ(p33)はどう説明するのだろう。不安定も一因ではないのか?
ついでに、ライバル誌の週刊東洋経済2009年2月7日号も読んだが、「ハウジングプアの深刻度」とある。「家がなければ再就職も出来ない」とも。この点からも、派遣村や「もやい」に対する批判は筋違いの可能性が高い。