清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

自首ならば 死刑でないの ありうるよ

いわゆる、愛知県で起こった闇サイト強盗殺人事件において、被告人2名(甲、乙と記すが、後述の引用サイトには実名がある)は死刑、1名(丙)は無期懲役になった。YOMIURI ONLINE闇サイト殺人事件、判決の要旨」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090318-OYT1T01146.htm
に判決要旨が載っているので、それに基づいて検討したい。

丙「が同サイトに書き込みをしたことをきっかけに知り合い」とあるが、丙が自首したのが、死刑回避の決め手になったことについては、後述。

「一般予防の必要性も誠に高い」→そうか?ネットのせいなのか?そりゃ、たしかに仲間を集めやすいという要素もあろうが、根本としては、お金がないことなのではないのか(資本主義や社会政策の問題。もっとも、だから犯罪者に責任がないとは言わない)?

「より綿密詳細な計画が立てられていた事案」ではないようだが、計画性はあったらしく、それならば厳罰はやむを得ないところだ。

「極刑を求める旨のしゅん烈な処罰感情」→これを裁判所は重視しますね。関係者が被害に遭ったらファイトするのが大事ということか。でも、これでは、打ちひしがれた人が不利にならないか、という心配もあるが。

「殺害行為について、」(甲)「の果たした役割は計画段階においてほかの2被告(ママ。以下略)よりも大きく」→原因は丙が作ったが、殺害行為の段階では甲に役割が大きいと認定した、ということ。

丙「の自首は、」甲「らに腹を立てたことによると解するのが相当だが、自首しなかった場合、捜査は相当難航したことも予想される。次の犯行が行われた可能性が否定できないことを考慮すれば、量刑要素として大きく評価することができる」、丙「は犯行後、短時間で自首し、」甲、乙「の逮捕に協力しており、極刑をもって臨むには躊躇(ちゅうちょ)を覚えると言わざるを得ない」→自首自体は反省とは関係ないらしいが、捜査の難航性、短時間、以上2点により、自首(刑法第42条)として減軽するのが不当だとはいえない。どの事例で自首減軽を認めるかは難しいが、認めないと、解決が難しくなることぐらいは想像しなければならないだろう。

なお、47NEWS「闇サイト殺人事件判決要旨 47トピックス」(http://www.47news.jp/47topics/e/100017.php
によると、甲、乙は「服役した経験がない」らしい。この場合、被害者1人で死刑にするのがいいかは問題だが(私が『裁判資料 死刑の理由』(井上薫 作品社。なお、新潮文庫版が復刊)を読んだ限りの心証と、更生可能性の問題ゆえ。刑罰を科す側の立場を考えれば、何人も殺す人のほうが更生可能性がないと判断するのがおかしいとはいえない)、おそらく反省を全然しなかったのだろう。