清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

存置論 より廃止論 立派かな

YOMIURI ONLINE裁判員になったら「死刑も選択」63%…読売調査」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090503-OYT1T00005.htm)
によると、「読売新聞社が4月25~26日に面接方式で実施した裁判員制度に関する全国世論調査で、裁判員になった場合、死刑に相当すると思えば死刑を「選択する」と答えた人は63%、「選択しない」は23%だった」という。

詳しい内容を読売新聞2009年5月3日朝刊23面(仙台では)で検討すると、「あなたは、死刑制度を存続すべきだと思いますか、それとも、廃止すべきだと思いますか。」との質問に、存続すべきだ56.7%、どちらかといえば存続23.8%で、合わせて存続は80.5%、一方、どちらかといえば廃止8.5%、廃止すべきだ5.7%で、合わせて廃止は14.2%であったという。なお、答えないは5.3%。

さらに、存続すべきだと答えた56.7%のうち、裁判員として死刑を選択する人は73.7%だったのに対し、選択しないは14.9%(なお、答えない11.4%)。一方、廃止すべきだと答えた5.7%のうち、裁判員として死刑を選択する人は17.9%、選択しない68.9%(答えない13.2%)だったという。

まず、私の立場を結論だけ示しておくと、死刑は廃止すべきではあるが、裁判員として死刑を選択する、ということである。

その上で検討すると、存続すべきで死刑を選択する人、ならびに廃止すべきで死刑を選択しない人、ともに、自分の哲学に沿っているので立派だといえよう(もっとも、どんな哲学を持とうが、選択すべき時には死刑を選択しなければならないので、廃止すべきとして死刑を選択しない人は問題だが、後述よりはましである)。

問題は、存続すべきとして死刑を選択しない人と、廃止すべきとして死刑を選択する人である。

まず、廃止すべきとして死刑を選択する人は、哲学を徹底できていないが、裁判員の役割を承知しており、問題ないといえよう。もっとも、選挙の時は、廃止論者(例えば、国民新党亀井静香さん)を支持するなりの努力は必要だが。

本当に問題なのは、存続すべきとして死刑を選択しない人。何わがまま言ってるの?哲学も徹底できていないし。もっと死刑のことを考えて、廃止論を検討しろよ!(または、覚悟を決めて死刑を選択しろよ!)と言いたい。

以上検討したところ、存置論者より、廃止論者の方が、人間的に立派な可能性が高い(かなり強引だが)ということである。というわけで、存置論の方は、廃止論にもっと耳を傾けるべきだろう。

このほかに気がついたことを1点指摘すると、上記YOMIURI ONLINEによると、「これまでの刑事裁判の判決については、「適切だと感じたことが多い」は34%にとどまり、「軽すぎる」が50%、「重すぎる」は4%だった」という。自分が刑罰を科される可能性をあまり考慮していないように見える点と、裁判官がそれだけ国民の人権を制約していないので評価していいことを考慮していない点で、極めて問題のある結果といえよう。