清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

被害者には お気の毒だが 妥当かな

YOMIURI ONLINE「杉並の親子2人刺殺、元日大生に無期懲役」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090715-OYT1T00314.htm
によると、「東京都杉並区桃井で2007年1月、」2名「が自宅で刺殺された事件で、強盗殺人罪などに問われた」被告人「の判決が15日、東京地裁であ」り、「植村稔裁判長は「殺意を持ったのは各殺害行為の直前で、あらかじめ強盗殺人まで計画していない。死刑に処することがやむを得ないとはいえない」と述べ、無期懲役を言い渡した」という。

本当は判決文を詳細に検討すべきだが、とりあえず上記YOMIURI ONLINEで検討すると、計画性がそれほどでもなかったことに加え、「〈2〉若年で前科もなく、更生の可能性がある〈3〉家族が被害弁償として遺族に8000万円を支払った」(上記YOMIURI ONLINE)が死刑回避には大きかったと思う。すなわち〈2〉の前科がないこと(更生可能性の観点からの若年考慮は問題かもしれない)、〈3〉の弁償(某音楽プロデューサーと同じ。また、おそらく就職経験がないだろうから、金銭面での弁償は酷だし、家族の弁償は考慮されてもよい)が大きかったようだ。

裁判所は、単純に複数人殺害し、経済的動機があれば死刑にするというわけではなく、有利な事情も考慮しているということである。被害者にはお気の毒だが、妥当な判決である。もしこれで死刑とすると、前科のある人と区別をしないと更生可能性を判断できない(前科があれば更生可能性がないとされてもしかたのない面がある、弁償に対するインセンティブ(動機づけ)がはたらかない、といった不都合があるからである。

読者の皆様も裁判員になるだろうが、被害者に同情するだけでなく、被告人に有利な事情も可能な限り汲むべきである。そのほうが社会がうまくいく可能性が高いと思うが(もっとも、厳密に数値化は出来ない)、いかがだろうか。