昨日、TBS(仙台では東北放送)で、「日本映画初のアカデミー外国語映画賞を受賞し」(NHKステラ2009年9月25日号p86より)た「おくりびと」という映画を見た。
納棺師という職業は正直知らなくて、取り上げた発想のよさに感心させられた。
妻役の広末涼子さんいわく「汚らわしい」(科白)とのことで、差別問題など微妙な映画にも出来ようが、そうしたことはせず、淡々と描いていることが、観やすく、アカデミー賞につながったのだと思った。
人生を考えさせられる興味深い映画だったが、何点か疑問が。
第1に、交響楽団解散から田舎に帰って(山形県)ひょんなことで納棺師になったのだが、実際そのような立場になったら、交響楽団を探したり、音楽教師になったりしないものなのだろうか、と思った。でも、こんなことを表現したら、誰も観ないのだろうな。
第2に、職業に対する嫌悪に対して、主役の本木雅弘さんが職業の意義を説いていたが(人はいつか死ぬもの、など)、「これしか職業がないんだ」みたいなエキサイトな展開もあったというか、現実はこちらだと思うが、これも脇道に逸れて、ダメなのだろう。
第3に、広末涼子さんの演技がどうか、と思った。リアルではいい人なのだろうが、なんか軽い。顔の表現も悲壮感がなかった。
と疑問を書いたが、日本の映画がアカデミー賞を取るのは、日本人だから、それはうれしい。