清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

仙台の 裁判結構 荒れている?

『読売新聞』2009年11月20日金曜日朝刊13版33面(仙台では)に、仙台地方裁判所で行われた裁判員裁判の記事が載っていた(社会面なので、全国の皆さんに読んでいただいているはず)。興味深いことが書いてあったので、今日これを検討したい。

1.「裁判分離に被告が不満 仙台」

(1)「仙台市泉区の林道で知人男性(当時69歳)を殺害したとして殺人罪に問われた」被告人は、第1審で懲役17年(求刑は懲役20年)の判決が言い渡されたが、、その被告人が、「『裁判員の負担軽減を理由に窃盗事件の裁判が分離されたことを裁判員の負担しか考えていない』と不満を述べた」という。

裁判官だけの裁判の場合でも、必ず併合して審判されるわけではないが(刑事訴訟法第8条第1項、第9条第1項第1号参照)、併合罪のほうが結果的に刑罰が軽くなるということもあり(刑法第45条、第47条)、審理も一括して行った方が被告人の負担が軽くなる可能性が高いので、被告人の不満は当然だろう。裁判を受けるのはあくまでも被告人なのだから、「『裁判員の負担軽減』」が最大の理由というのは問題ではないか。

(2)その被告人、懲役17年の量刑について、「『市民の感情が入れば、(量刑は)重くなる。ずるい考えだが、裁判官だけの裁判がよかった』と話した」という。

市民の感情が入ると刑罰が重くなるかはわからないが、被告人には「公平な裁判所」(憲法第37条第1項)で裁判を受ける権利があるので、被告人が裁判官だけの裁判がいい(=公平と言えるかはわからないが)と言うのならば、それを選べるようにするのも一案だろう。

2.「被告に大声で『むかつく』 『そのへんで』裁判所が静止 仙台地裁

仙台地裁で19日に行われた強姦致傷事件の裁判員裁判で、男性裁判員が被告に『むかつくんですよね』と大声を上げ、裁判長に制止された」という。

詳しい模様は以下の通り。

「男性裁判員は被告とやり取りを続けたあと、『二度と繰り返さないか』と訪ねた。被告が『はい』と答えると、『どのくらいの気持ちですか』と質問。被告が答えないと、『即答できませんか』『検事の質問に当たり前の答えしか返ってこない』などとたたみかけた。被告は無言のままで、さらに男性裁判因果『片手とか両手とか関係ない。むかつくんですよね。昨日から聞いていて』と大声を出した。このため、川本清巌裁判長が『そのへんで』と静止した」

被告人がどの程度法廷に慣れているかはわからないが、刑罰を科せられるということは重いことだから、即答できないことは仕方ないだろう。「『当たり前の答えしか返ってこない』」としても、それが事実かもしれないわけで、「たたみかけ」るべきでもないだろう。「『片手とか両手とか関係ない』」のは、あくまでその裁判員の判断に過ぎず、そんなことで「『むかつく』」ほうが問題だろう。裁判はストレス発散の場ではない。こんなこともわからないのでは、社会人失格だろう。

なお、『読売新聞』2009年11月21日土曜日朝刊13版33面(仙台では)に、別の裁判員のコメントがある。

いわく、「『(被告の)煮え切らない態度を目の当たりにしていたので、気持ちはよくわかる』」、「『ストレートに言えるのは裁判員制度のおかげ』」。

しかし、悪いことをして毅然とした態度をとるほうがむしろ不自然じゃないのか?また、事実の認定と法律の適用が仕事であって、「『ストレートに言』」うのが仕事ではない。仙台の裁判員はレベルが低すぎることが記事から読み取れた。このままでは裁判員制度反対の声がやかましくなりそうだ。