YOMIURI ONLINE「社会人合格伸び悩み 就職浪人続出…公認会計士試験、見直しへ 」(2009年12月9日 読売新聞。取得日2009年12月9日。http://osaka.yomiuri.co.jp/university/topics/20091209-OYO8T00659.htm)
によると、「金融庁は8日、公認会計士の試験制度や資格取得要件の見直しを行う懇談会を設置すると発表した。公認会計士の試験制度は2006年に見直したが、社会人の合格者が十分に増えないうえ、監査法人などの採用抑制で「就職浪人」が数百人規模で発生するなど課題が指摘されていた」という。
正直、見直しは無理だろう。
第1に、何ゆえ社会人の合格者を増やす必要があるのか。社会人だって、とりわけ大卒の人にとっては、転職するよりは、そのまま入社した会社にとどまった方がいいと判断するのは、終身雇用の神話の残る日本では合理的だろう。つまり、社会人の合格者を増やすということ自体が無理があるということである。前述の理由のみならず、公認会計士は、司法試験と異なり、以前から若年層が圧倒的に有利と聞いたことがある(「数学」を使うものは得てして若年が有利らしい。一方、法律は、円熟した判断が求められるので、若いから必ず有利とはならないとか)。
第2に、公認会計士を増やす計画があるそうだが、それが合理的なのかが疑問である。もし合理的ならば、採用抑制などは起こらないだろう。なお、最初から独立するという選択もあろうが、受験に多額の金を使った(公認会計士試験は難易度が高いらしい)合格者が最初から開業資金があるとは言えないだろうし、徒手空拳の人が以前から定評があるであろう監査法人に普通は勝てないからである。