清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

いろいろな 遺族の方いて 当然だ

2010年1月24日午後4時から、仙台放送をはじめとしたフジテレビ系列で、「第18回FNSドキュメンタリー大賞」(フジテレビのサイト内では、右記URL(2010年1月26日取得)。http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/18th/10-012.html
が放映された(以下の内容は、上記サイト参照)。

受賞作は以下の通り。

大賞 東海テレビ罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』
優秀賞 テレビ新広島 『ありがとう!っていっぱい言わせて』
特別賞 長野放送 『笑顔の理由 ~小谷村 伊折の人々~』
特別賞 テレビ大分 『走れ!MAYA ~義足のアスリート・22歳からの挑戦~』

放送では、大賞はすべて、優秀賞、特別賞はダイジェストだった。というわけでもないが、以下は、大賞に絞って検討したい。

大賞は東海テレビの作品だが、ディレクターは齊藤潤一さん。「NHK 「ベストテレビ」を 観てみたよ((1)の予定)」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/48644761.html
の「東海テレビのディレクターさん」は、齋藤さんである。すなわち、「光と影~光市母子殺害事件弁護団の300日」のディレクターでもある。「光と影」を見た視聴者の方から、「犯罪被害者の気持ちを考えたことがあるのか」という感想をもらったことが「罪と罰」製作の動機だとか。

さて映像。まずは、死刑の様子を、元刑務官とおぼしき人が語っている。ご存知の通り、絞首刑だが(刑法第11条第1項)、死刑囚が縄に首をかけ、おそらく3名の刑務官が、ボタンを押すと、1つだけ床が抜けるボタンがあり、首が絞まるという仕掛け。映像の中盤で死刑執行後の死刑囚の写真を見たが、首にくっきりあざが出来ていた。ただ、全体としてはごくわずかで、次作は死刑執行を詳しくやってほしいと思った。

物語は、「名古屋・闇サイト事件で娘の利恵さんを殺害された母、磯谷富美子さん」(フジテレビのサイトによる)に密着して、裁判や、死刑を求める署名活動の模様を紹介することから始まる。30万人以上の署名を集めたとか。話は飛ぶが、友人と乾杯するシーンまで映っていた。苦しみを理解しないわけではないが、若干違和感があった。

次に登場する遺族の方は、「1983年に発生した半田保険殺人事件で弟を殺された兄、原田正治さん」(フジテレビのサイトによる)。最初は死刑判決にほっとしたそうだが、封書を開いたところ、被告人の反省の言葉に心が動かされ、面会したいと思うようになる。そして、面会を4回するうちに(なお、被告人の長男が自殺したことも大きかったようだ。被告人が加害者であっても、親戚知人友人に罪はないのだから、嫌がらせは絶対にいけない)、死刑を止めてほしいと思うまでになり、ついには、Ocean―被害者と加害者との出会いを考える会を結成するまでに至る。そんな原田さん、なぜか非難や嫌がらせを受け(もちろん、磯谷さんも後述の江崎さんも受けただろうし、原田さんを励ます人もいただろう)、離婚や別離に至ったという。すさまじさを感じた。あと、犯罪被害者や遺族についての意見に接するたびに思うのだが、自分にとって都合のいい犯罪被害者や遺族だけ同情を示し、そうでない人を非難する人は実際におり(私もそうなのかもしれないが)、人間は結構身勝手なものだと感じた。

最後に登場したのは、「1994年、長良川木曽川連続リンチ殺人事件で一人息子を失った父、江崎恭平さん」(フジテレビのサイトによる)。「更生の必要なし」、「死刑という言葉の裏にすべての償いがある」との言葉が重い。

そんな江崎さんに、原田さんからメールが。しかし、Oceanという団体は知らず、メールに対する反応も好意的ではない。「反省すればいいわけじゃない。事実は消えない」という言葉もまた重い。

なお、フジテレビのサイトによると、「命の大切さを訴えるイベントの運営スタッフとして活動している」とのこと。このエントリー完成を優先するため、イベントの名前は各自お調べを。

要は、被害者遺族の考えは一様ではないということである。安易な言動は慎むべきだと感じた。