清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

普天間と 「政治とカネ」で 辞任した

鳩山由紀夫内閣総理大臣が、辞任した。『毎日.jp』に載っている「鳩山首相辞任:首相、両院議員総会での発言」(2010年6月2日アクセス。http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100602dde002010004000c.html
に基づいて、以下検討する。

「国民の皆さんの判断は決して間違っていなかった。私は今でもそう確信をいたしております」→この現状認識は同意。1党独裁では、どうしても不利益を被る国民層が固定化するから(その一例が「派遣切り」というのは強引であることは承知しているが)。

政権交代によって国民の皆さんのお暮らしが必ず良くなる。その確信の下で、皆さん方がお選びいただいた私は総理大臣として、今日までその職を行ってまいりました」→しかし、わずか8ヶ月ではくらしがよくなったか否かはわからないんだから、安易な選択だと思う。

「『皆さん方と協力をして日本の歴史を変えよう。官僚任せの政治じゃない、政治主導、国民の皆さんが主役になる政治を作ろう』」→その志は結構。しかし、カレル・ヴァン・ウォルフレンの一連の著書(『日本/権力構造の謎』(ハヤカワ文庫NF177・178。上下2巻。1994年)、ならびに『人間を幸福にしない日本というシステム(新訳決定版)』(新潮OH!文庫。2000年))を見ると、官僚の自己保身のためにやられたということはありませんか?政権交代でガラッと態度を変えたことがあったとすれば、アメリカみたいに総入れ替えができる制度にしないとダメなのかな。

子ども手当もスタートしました。高校の無償化も始まっています。子供に優しい、未来に魅力のある日本に変えていこう。その私たちの判断は間違っていないと確信しています」→その通り。これは率直に評価すべきですよ、皆さん。

「残念なことにそのような私たち政権与党のしっかりとした足元が、必ずしも国民の皆さんの心に映っていません。国民の皆さんが徐々に徐々に聞く耳を持たなくなってしまった。そのことが残念でなりませんし、まさにそれは、私の不徳の致すところ、そのように思っています」→不徳もあろうが、きちんと分析しないマスコミ、それに踊らされて、大局を見失い、世論調査でマスコミの意図に沿った回答をした国民の責任のほうが大きいと思うのは、気のせいか(感覚的だが、世論調査の何たるかを知っていれば、的外れとは取るまい)。

普天間の問題」について、「ただ、私は本当に『沖縄の外に米軍の基地をできる限り移すために、努力をしなきゃいけない。今までのように沖縄の中に基地を求めることが当たり前じゃないだろう』。その思いで半年間、努力をしてまいりました』ことは、評価せざるを得ないだろう、沖縄県民のことを考えれば。沖縄県民も、「結果として、県外にはなかなか届」かなかったならば、現状では、民主党に入党して、党論を変えるしかあるまい(旧社会党をはじめ、左派政治家がいるので)。

「特に社民党さんに政権離脱という厳しい思いをお与えしてしまったことを、残念でなりません」→私は、社会民主党の離脱こそが残念だと思っている。左翼政党にとって一番大事なことは、労働者が満足に食えるか否かの筈だが、それと直接関係ない政治問題で離脱するとは、大局を見失った愚策と断定せざるを得ない。

「『政治とカネ』の問題」については、先述のウォルフレンの本を熟読するのが大事で、単に議員の責任とするのではなく、構造的なものを理解し、実効性のある対策を考えて提言する(民主党自由民主党、その他自分の支持政党に)しかあるまい。辞任を繰り返すのは、官僚の思う壺になりかねない。

それにしても、世論調査の結果といい、歴史的状況を認識しない(保守合同以降初めて衆議員・参議員ともに自由民主党過半数割れ)悪口ばかりのマスメディアの論調といい、ある勢力の何らかの意図が働いているのか、国民がバカなのか(そうでないことを祈りたい)、どちらかであるということを考えてしまう。