清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

2010 ベストテレビを 見てみたよ

NHK-BS2で、2010年6月26日から30日まで、「ザ・ベストテレビ2010」が放送された(7月4日午後1時からシンポジウムが放送されます)。昨年も観たが(昨年については、右記URL参照。http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%A5%D9%A5%B9%A5%C8%A5%C6%A5%EC%A5%D3
、今年も面白い作品が揃った。何と言っても、テレビ界の賞を受賞したわけだから。

放送された番組は、以下の通り(「NHKウィークリーステラ」2010年7月2日号(NHKサービスセンター)p17を参照)。

‘鐱槓錞?顕渋臂泪屮薀鵐廛蝓崟屬劼欧茵△気蕕弌~地域医療“再生”と“崩壊”の現場から」(北海道放送。たぶんローカル枠)

▲ャラクシー賞 大賞 ETV特集「死刑囚 永山則夫~獄中28年の対話」(NHK) 

F鐱槎唄嵎錞?¬曽沺.謄譽咼疋薀淅崛函〆罵ソ─ATP賞テレビグランプリ2009 グランプリ 空飛ぶタイヤ東阪企画WOWOW

な錞?顕輯雍眈沺.謄譽咼疋ュメンタリー番組部門 本賞 ハイビジョンふるさと発「嵐の気仙沼~宮城・港町の特別な一日」(NHK仙台放送局。おそらくBS-hi(ハイビジョン)で放送)

テ鐱槎唄嵎錞?¬曽沺.謄譽啅詰榿崛函〆罵ソ─,劼世泙蝓塑治大浜1丁目・6年の記録(南海放送。たぶんローカル枠)

κ顕縦7歃兀彎沺.謄譽喇門 大賞 火の魚(NHK広島放送局。たぶん地上波で全国で放送)

日本民間放送連盟賞 テレビ報道番組 最優秀、「地方の時代」映像祭2009 グランプリ SBSスペシャル「日本兵サカイタイゾーの真実~写真の裏に残した言葉」(静岡放送。たぶんローカル枠)

ATP賞テレビグランプリ2009 ドキュメンタリー部門 最優秀賞 BS世界のドキュメンタリー シリーズ四川大地震 被災地は今「第2回 李先生と30人の子どもたち~紅白中心学校」(テムジン NHKエンタープライズNHK。おそらくBS1で放送)

科学ジャーナリスト賞2010 科学ジャーナリスト大賞「素数の魔力に囚われた人々~リーマン予想・天才たちの150年の戦い」(NHKBS-hiにて、8月20日午後1時40分からオリジナルを放送。「ザ・ベストテレビ2010」では、要約版であるNHKスペシャルを放送)

以下、作品の感想を簡単に。

まず M?曚箸気譴唇緡点度(例えば、24時間365日)でも、医者ができなければ成り立たない、ということである。医者の地位がいかに強いかもわかる。一般の労働者ならば、現在はこの番組の医者ほど権利主張はできないだろう。また、コンビニ診療は批判すべきだとしても(むかわ町だからおそらく高齢者が多いと思われ、高齢者というのはワガママだとは思った)、高齢者の居場所が医者ぐらいしかない場合もあるので、難しい。本題からずれるが、近くの他人と共通の趣味を持つことが大事だと考えた。

◆0柄阿盡て、2回目(「永山も 悲惨な生活 送ってた 」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/49544418.html
参照)。そもそもは、死刑における永山基準が、どのように形成されたのかを描きたかったようだが、永山事件の背景を丹念に探った傑作といえよう。永山則夫の態度(被害者に印税を送る)が、他の犯罪者や、奥さんとなる和美さんが共感するのを描けているのも、よい(もちろん、殺人は絶対にいけない)。生きる希望が出てきたところで、最高裁の破棄差し戻し(実質死刑。光市事件と同じで、光市事件における弁護団批判の大半がとんちんかん。なお、このときに示されたのが「永山基準」。井上薫『死刑の基準』(新潮文庫)をご一読を)が被告人の生きる希望を奪った様も印象的だった。「被害者の立場はどうなる」との批判か可能だが、私の見る限り、そもそもは永山基準の背景を描くものだったので、批判しても仕方ないと思った。

。ドラマの第1回のみ放映。原作は池井戸潤空飛ぶタイヤ』(日本実業出版社)。M自動車やT自動車の不祥事が思い出されるドラマ。強者(本作では自動車メーカー)の自己保身のために犠牲になるのは、大概弱者(本作では小規模のトラック運送会社)。トラック会社の2代目社長(仲村トオルさん)の口調が少々横柄なのが気になったが、それぞれの役の人の葛藤が描かれたのがいいドラマだと、ゲストの人が評価していた。

ぁかつてはにぎわっていた(マグロ漁で)気仙沼だが、最近では台風が来ないと漁船が寄港しないのだとか。その台風が来たとき1日をとらえたドキュメント。台風はおおむねよくないが、台風を待ち焦がれている人にも共感した。

イ蓮↓い箸和仂氾に(対照させる主旨ではないが)、6年もかけて撮ったもの。ミーコちゃんが営むお好み焼き屋さんから見た、町の変貌が描かれている。ずいぶん独居老人が多いと思った。その中に、味岡さんという人がいて、長女が大阪に引き取ることになったのだが、住みなれた地元で死にたいとの思いもわかる。偶然にも、最後に8歳の子どもが来店したのにはほっとした。

Δ魯疋薀沺8矯遒蓮⊆疾減埓院慳のあわれ われはうたえどもやぶれかぶれ』(講談社文芸文庫)に載っている『火の魚』。原作を読んでいないのに語るのは何だが、命を考えさせる内容のように感じた。最後の「タバコ吸いてぇ~」など、お酒やたばこといった不健康なものや、金魚を魚拓にすることと刺身定食との対比など、仕掛け満載のドラマ(文章)。撮影も工夫。科白を十分に与えず、俳優さんのアドリブを楽しむ仕掛けになっていたとか。

Г蓮∨椒轡蝓璽困い舛个鵑稜鯣?。捕虜になった「サカイタイゾー」が、アメリカ兵に写真を託すが、「サカイタイゾー」がなぜ捕虜となったか(アテネフランセの教育が影響したそうで、名誉ある死より生きることを選んだらしい。当然の判断だが)、写真の裏には何が書いてあり(ボードレール悪の華』(堀口大學訳。新潮文庫)「沈思」の一節だそうだ)、「サカイタイゾー」が何を考えたかを描いている。昨日、シンポジウムを見たが、家族にも評価された作品で、撮ってよかったといったところか。

┐蓮2008年5月12日に起こった、四川大地震が残した爪あとを、李先生と30人の生徒を中心として描いたもの。地震がいかに人の心を傷つけるものか、それでも懸命に生きていく生徒、先生が感動を誘う作品。ただ、日本的な感覚で書くと、避難指定所のはずの学校の校舎が崩壊し、たくさん死者が出たのであれば、生徒と先生の絆よりも、どうして校舎が崩壊したかを突っ込んで欲しいと感じた(中国政府の問題か、予見不可能だったのか)。しかし、中国は自由に取材できないそうなので、仕方ないか。また、これが、テムジン(製作会社)の限界か。

最後に。素数とは、1とその数でのみ割れる数のことだが、一般の人ならば、それでいいじゃないかと思うだろう。しかし、何かの法則があると考える数学者がいたそうで、素数の謎を解明しようとする数学者の狂気、完全にわかるわけではないがビジュアルな内容、素数の解明が実は社会に影響を与える(暗号解読になりうる)ことなどがわかり、有益な作品。NHKハイビジョンで、8月20日午後1時40分から再放送するそうなので、興味のある方はぜひ御覧ください。