2010年10月12日午前1時10分から放送された映画、『僕たちのキックオフ(原題Kick off)』を拝見した。
場所はイラクのキルクーク。クルド人は、フセイン政権下で差別され、土地を追い出され、仕方なくサッカー競技場に住んでいる。そこに住んでいるアスーは、サコと一緒に子供の民族別サッカー大会を企画するが・・・というのがあらすじ。
画面は白黒的。イラクの現状を示唆する配色。
クルド人というか、やはりサッカーは人を熱狂させると思った。サッカー大会のきっかけは、イラクとサウジアラビアの試合で、イラクが勝って優勝したことである。
民族対立の厳しさが垣間見える。クルド人のアスーが、クルド人vsアラブ人の試合の審判をやろうとしたら、アラブ人からクレームがつくシーン(親善試合だからいいが、代表戦レベルならやはり問題)などに現れている。
物資面でも苦しいようだ。水不足だったり、サッカー大会のゴールネットがきちんとしていなかったり、空気が抜けたらボールの替えがなかったり。それがきっかけで、映画は悲劇的な結末を迎える。
日本にいると、中東は男女差別の強い国にしか見えないが、バレーボール(サッカーボールでやる)をやると「男の子みたいな遊び」といわれるのもその一端か。
とあれこれ書いたが、サッカーをきっかけとして、イラクやクルド人を描いた作品といえよう。