清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

生活保護 特番全然 なってない

先日、2010年12月16日午後10時放送の、NHK教育ETV特集 大阪“非常事態”宣言~生活保護・受給者激増の波紋」を観た。はっきりいって、お話にならない出来だった。以下、内容を紹介しつつ、論じる。

大阪市は、市民20人に1人が生活保護受給者で、月200億円以上かかる。2年前から急増しており、ケースワーカーを増やしても追いつかない(1人で100人を担当)状態だという。

ただ、大阪市民だけの問題ではなく、他県から流入する人がいるなど、根が深い問題である。

平松市長は抜本的改革を掲げ、就労意欲のある人から支援しようとするが…

大阪市大阪市民にはお気の毒だが、大阪市生活保護を給付したのが問題なのではない。他の自治体が出し渋るのが問題なのである。

話は進んで、生活保護受給者は医療費の自己負担がなく、生活保護で賄われるそうだが、それを目当てに病院が過剰診療している事例も紹介している。

しかし、生活保護受給者だけが自己負担がないことが問題なのであり、生活保護に罪はない。無料にも問題はあろうが、無料化を検討すればよく、生活保護の問題ではない。大阪市などが提案しているらしい、医療費の一部自己負担は、取りっぱぐれのリスクを病院に負わせたり、受給者に医療にアクセスさせなかったりと、問題にする方向がズレている。

当然のことながら、生活保護受給者急増の背景には、いわゆる不況がある(受給者の谷は、1995年であることも番組では紹介している)。

しかし、仕方がないとは言え、安定した求人もない、資格があっても不採用なのもザラ(経験重視も仕方がないが、有効な職業訓練制度になっていないことこそが問題)、など、難しい問題を抱えている。

ただこの番組、生活保護受給者に対する偏見を植え付ける部分があり、クズ番組であった。以下、2点指摘する。

第1に、せっかく就職が決まったのに、仕事が過重と判断し、辞退した人のことが映っている。しかし、そもそも求人側の条件がわからないので(求人がわが問題の場合もあることは、仕事を探したことのある人ならば誰でもわかる)、映像だけでは受給者=悪と判断する馬鹿者(後述)を生みかねない。

第2に、ブランド物と思われる財布を持っている受給申請者を映していた。しかし、そんなのごく一部だ(ろう)し、撮る価値もない。むしろ、「そんな贅沢をしているからだ」などという、筋違いのバッシングを生みかねない。取材者は取捨選択をするのだから、捨てるべき映像だった。

「偏見を植え付ける」と先ほど記したが、偏見をもとにしてこの番組を取り上げたブログを発見した。それは、mercy1957 さんの、『花が一夜に mercy1957's blog』「NHK生活保護特番について」(2010.12.26 23:46:08アップ。2011年1月13日アクセス。http://pub.ne.jp/mercy1957/?entry_id=3386098
である。以下、検討する。

「函館以外から流入した」ことの原因を、「保護受給を前提に入居を許可する不動産業者の存在」などと書いているのだから、大爆笑しちゃいましたね。な~んも知らないで書いているんだ。他がきちんとしないことも書けないなんて、笑われても仕方ないな。ハハハ。「出所受刑者を集めているかのような動きをする準公的機関の存在など」と、受刑者に対する偏見丸出しで、社会の敵ですね(受刑者が社会復帰できなければ、犯罪被害者を新たに生み出すこともわからなかったようだ)、mercy1957さんは。

「あんなに元気があるならば、、、と思ったのは私だけではあるまい」ともあるが、どんな人間だって、一時期は元気なこともあろう。元気なのはいいことなんじゃないか?

「就労支援中の男性が、決まりかけた就職を仕事量が多いからと断ってしまった一件だった。あの中から、私は採用企業が、まさにふるいにかけているのだなあと思う反面、就職しないことを正当化しようとする受給者の本質を垣間見たような気がした」って、仕事も探したことないんだ、このお坊ちゃんは。どうやって今まで生活したんだ?求人側の採用条件に問題があるかもしれないし、また、経済取引なんだからお互い選択することぐらいわからないなんて、よく生きていけましたな(大爆笑)。

反貧困ネットワークなる団体の生活保護改革案に対する反対姿勢は耳をふさぎたくなるような気がした。いったいどれだけの社会保障を国にやらせようとしているのか?国がやるとしても、所詮は税金である。もし、それを肯定するなら、彼らは社会主義国家を樹立しようとする亡国の輩だ」って書くmercy1957のほうが亡国の輩でしたな(またまた大爆笑)。「反貧困ネットワークなる団体の生活保護改革案に対する反対姿勢」が妥当なことについては、当エントリーを読めばわかるが、「いったいどれだけの社会保障を国にやらせようとしているのか?」って、貧困(というか、不況)は資本主義社会では不可避であり(番組でも受給者増加の一因として指摘していたんだけど)、その社会を維持するには国が貧困対策をやらざるを得ないこともわかってないなんて、書かないけれどみんな思ってますよ、「こいつバカだ」って。最後に、「反貧困ネットワーク」さんが、生産手段の国有化を主張しているというのは(社会主義の定義)、寡聞にして聞かないけど。