クズ記事や、クズ本は、紹介などしないで放っておけばいいのだが、お人好しを自認する私清高、紹介しちゃいますよ。ソースは、読売新聞2011年5月9日朝刊13版14面、31面（以上仙台では）。
まず14面。『週刊ポスト』2011年5月20日号「緊急対談 藤原正彦×櫻井よしこ 『日本人の覚悟と誇りについて』」。
実は読んでいない。しかし、見出しだけ見たら、もうバカバカしくて。
「一 大震災直後に縄文以来の『日本文明の遺伝子』が発露した」って?たしかに、1万年前にに日本列島ができたらしいが（山川出版社の『詳説日本史』（題名が違う場合あり）での確認を乞う）、せいぜい狩猟文化だったんじゃないの? そもそも1万年前に文明があったこと、証明されたっけ？
「三 国民の『惻隠の情』に付け込む復興増税は許されない」
「四 無利子復興国債をただちに発行すべし」
四は賛成である。しかし、その償還のために、現在の消費税の税率や、所得税の税率で対応できるのか? 相当の経済発展がなければ、無理なんじゃないの? 試算はしていないが（対談で試算しているかは確認していない）数％の消費税増税は、仕方ないと思うが。
クズ記事は終わり。クズ本は『背信政権』（中央公論新社、2010）の紹介記事、「『民主イズム』が本に」。
「マニフェスト至上主義の弊害だって? マニフェストであれ、公約であれ、一番いいのは、その通りにして国民生活がよくなったこと。ダメなのはその通りにしないでダメな場合。事前は難しいが、ある種の「マニフェスト至上主義」は仕方ないだろう。それとも、政治家の言うことはどうでもいいから、自由民主党に入れればいい? 市民としてはそちらのほうが問題だろう。
「東日本大震災直後の対応の不手際」というが、そもそもできたのか? 他の人ならできたのか? 緊急時にある程度の「不手際」は、仕方ないだろう。検証してからだと、最善手はわかるが。まぁ、無意味な批判の可能性大。
「菅首相が自民党に大連立を持ちかけた背景」は、単に数を増やしたかったから。それを否定するのは民主主義政治ではないが（少数独裁といえよう）、なぜか批判が強いうえに、菅首相の退陣を求める声も高かった。能力がないから使ってもらえない官僚の妬み、売りたいためのマスメディア（これは仕方ない。ほとんどのマスコミが株式会社なのだから）、権力が欲しいだけの政治家（権力欲はよろしい）、以上3社のハーモニーにしか見えない。
以上、『週刊ポスト』のほうは対談無視、『背信政権』は買わないことを勧めたい。
