清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

内向きの 教育改革 試案だよ

世界平和研究所が、教育改革試案を発表した(http://www.iips.org/2011kyoiku/2011kyoiku.pdf
ことが、読売新聞2011年5月9日朝刊2面、4面(ともに13版。仙台では)に載っていた。放っておけばいいのだろうが、疑問点を検討する(なお、段落分けは、適当)。

「特に初等教育段階での学力・体力の低下は依然として継続」→学力の証拠は? 子ども手当に反対する自由民主党がダメ政党だ、とだけ言おう。体力は生活様式の問題じゃないかな?

「極端な利己主義が横行し、公共精神の喪失が叫ばれて久しい」のであれば、誰も震災ボランティアには行かないよ。「無縁社会といわれるように個々人の社会的能力の劣化も進行」って、都市化が原因じゃないの?

「海外に雄飛する日本人の激減など、内向き志向が蔓延」って、たかが留学生が減っただけで? たしかに日本の大学はアメリカより評価は低いけど。

「義務教育期(7-15歳):地域社会と共同」させるのはいいが、地域地域っていうから、「内向き」になっていると私は感じちゃうが。「内向き」=悪かどうかはわからない。

百人一首の暗唱など古典の暗唱を通じた美しい日本語の習得」は先生の判断にまかせればいいし(口述。いい作品は古典ばかりではない。それに、現在も中学生で古典を学んでいる)、言語は変わるので「美しい日本語後の習得」には限界があろう。

「理科・社会などの科目ではすでに社会で活躍している卒業生などが積極的に授業に参加する」のは悪くないけど、本音は先生に対する侮蔑であることは、読めばわかろう。肝心なのは学問を修めていることのはずだが。「教員以外からの校長の積極採用」なんかも侮蔑である。「学校経営に創意工夫を持たせ』手も、先生の教育内容には「創意工夫を持たせ」ないようだ。

「地域社会に参画しかつ国際社会で通用する日本人としての自覚を促す。1つの工夫として、成人前に半年から一年程度の間、営農、営林、営漁など自然への敬意を涵養する活動や、超高齢社会の現実を直視するための老人介護、災害救助や防犯活動のための警察・消防・自衛隊への参加や青年海外協力隊などによる外国滞在を義務付け、その受け皿を政府が用意する」というが、これらだけが「地域社会に参画し」ているわけでもないが。また、これらが、憲法第18条、市民的及び政治的権利に関する国際規約第8条第3項違反でないかは、厳密な検討が必要だろう。ついでに書くと、国際人権法を学習するという提言は、ない。

「地方における首長への権限と責任の統合」は、政治が介入することを是としたいようだ。ただ、教育委員会の公選制(そもそもはそんな制度だった)もそうなのかもしれないが。

「教育刷新委員会の委員は、学識経験者と、その少なくとも3分の1ずつは、|楼莉嗣院癖欷郤圓任△襪發里鮟釮)と、∧欷郤圈吻´△箸發乏惺散┻腸颪琉儖?瑤呂修侶亳骸圓望ましい)とから、議会の同意を得て任命されなければならない」とあるが、現場の教員排除? 現場の声を聞かない政策は、一般論としてむなしいだろう。

「教科書の採択や教職員の任用などの重要事項について、教育刷新委員会の同意を得なければならない」のはなぜ?採択が先生で、任用が校長ではなぜいけない?

自治体が創意工夫を行い」を否定はしないが、先生がないのは、侮蔑であることは、繰り返し述べている。

「教員免許の更新制度を進めるとともに(中略)教職員大学院が設立されたが、実社会で多様な経験を積んだ人材、使命感の強い人材を採用し」というのも、私流に解釈すれば、学問を修めた先生に対する侮蔑である。しつこく書くが、「実社会で多様な経験を積」むのを否定はしないが、体系を抑えていなければ話にならないはずである。「使命感の強い人材」が今の養成課程にいないという証拠もないし。なお、「教職員大学院」は、特定の階級を排除するのが目的と解釈しているが(サヨクは先生になってはいけない、というのが本音?)、個性的な人材確保のためには、必要性を感じない。やるのであれば、当該科目の修士課程卒業を要件とすればいいと思うのだが(なお、小学校教員は、別)


「教員の質と研究競争力を高めるため、終身雇用は廃止し、研究業績に応じた更新可能な任期制(5-10年程度)を採用する」としても、実績のある先生は、アメリカでは終身雇用なんだよねぇ(日本は定年制)。また、終身雇用だからこそ、長期的な研究ができるかもしれないし。

奨学金制度も、成績により直接連動させる」とは書いても、授業料無償化は書かない。経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第13条すら読んでいない。つまり、「内向き志向」の改革案なのだった。