清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

優勝の 取り消し少々 厳しいか

上記asahi.comを繰り返すと「2003~05年度に私立福岡第一高校(福岡市)のバスケットボール部に在籍したセネガル人留学生選手の年齢詐称問題で、全国高校体育連盟の指導委員会は3日、同校の04年全国高校総体優勝、05年同大会3位の記録を取り消す、と発表した」という。ただ、福岡第一高「校を運営する都築学園の都築仁子(きみこ)総長は「我々はセネガル政府から独自に、この選手が86年生まれとする資料を入手しており、高体連に再調査を要請したが聞き入れられなかった」と語り、法的手段に訴える意向を示した」という。
 
この処分は、少々厳しすぎるのではないか、という見解を採るのが妥当である。理由は以下の通り。
 
第1。日本アンチドーピング機構のHPから「世界ドーピング防止規程2009 日本語版」(http://www.anti-doping.or.jp/downloads/code/WADA_CODE_2009_JP.pdf
をダウンロードして、読んでみたところ、55ページに「第 11 条:チームに対する措置」というのがある。それによると、ドーピングの場合、構成員2人以上が「第7 条のドーピング防止規則違反の通知を受けた場合」、「適切な特定対象検査を実施」し、「チームスポーツのチーム構成員の3 人以上が競技大会の期間中にドーピング防止規則に違反したことが明らかになった場合には(中略)当該チームに対しても、適切な制裁措置(例、得点の剥奪、競技会又は競技大会における失効その他の制裁措置)を課すものとする」(以上11.2)のが原則となっている。
 
ドーピングと一緒にしてはいけないのだろうが、たかが1人の違反行為で全部が失格というのは少々やりすぎではないか? と思うからである。
 
第2は、福岡第一高校側の事情。第1パラグラフで引用した「「我々はセネガル政府から独自に、この選手が86年生まれとする資料を入手しており、高体連に再調査を要請したが聞き入れられなかった」」という事情や、福岡第一高校に過失がなかったのではないか(パスポートは大概信用するもので、それ以上調べろ! というのは酷なように感じる)という心証からである。
 
根本は、勝って有名になりたいという高校側の問題がある。留学というのは、留学先の学校が優れているからするはずである。福岡第一高校のバスケのノウハウが劣っているわけではないが、バスケの本場はアメリカなのに、留学生が来るのは(ウェルカムだが)奇怪だろう。勝って有名になりたいという高校側の邪な志の問題があるとして差し支えあるまい。
 
もちろん、留学生側にも、動機があろう。実はこの留学生、卒業後すぐに日本プロバスケットボールリーグbjリーグ)の、高松ファイブアローズに入団したのだが(これは問題ない)、bjリーグの開幕は2005年。その情報を知って日本に留学したのだろうか? なんといっても日本は経済的に先進国。プロリーグがあれば、お金儲けができる、ぐらいは考えよう。
 
というわけで、高校側、留学生側、お互いに動機があり、合致したと推測する。ただ、福岡第一高校は、留学生の年齢を知らなかったことについては、かわいそうな面もあったが。
 
*追記
そもそもの年齢制限は、妥当と考える。科学的根拠はわからないが、バスケットボールは、年齢で差が出やすいスポーツだからである。名前は失念したが、ある解説者が、大学になってから体ができる、ということを言っていたのを聞いたことがある。野球やサッカーにおける年齢制限を批判するつもりはないが、野球やサッカーなら、あまり年齢に関係ないように感じる(高卒でもよい。日本のバスケで、高卒プレイヤーは、ごくわずか。現在は、NBAも、高卒即入団はできないが、これは別の事情があるか)。