清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

読売も 「死ね!!!」キャンペーン 始めたよ

NHKが「死ね!!!」キャンペーンをやっていることはみなさんご存知だろう。当ブログでは以下の記事です。
生活保護 特番全然 なってない 」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/51590569.html
NHK 「死ね!!!」キャンペーン やっちゃった 」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/51708046.html
NHK 「死ね!!!」キャンペーン 第2弾?」(ただし、死刑を扱った内容。http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/51723725.html
NHK 「死ね!!!」キャンペーン 岡山編?」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/52126483.html
 
それに加えて、読売新聞も、「死ね!!!」キャンペーンを始めた模様。新聞のタイトルは「急増生活保護」。2011年11月8日朝刊ではまだ第1回だが、注視が欠かせない。以下、検討する。
 
まず13版1面によると、東京日比谷公園に開設された、年越し派遣村(当ブログ「派遣村」の内容検索の結果は、http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%C7%C9%B8%AF%C2%BC) には505人が集まったが、「厚生労働省への東京都の報告によると、集まった505人のうち、299人が生活保護の受給決定を受けたが、働いて生計を立てられるようになったのは09年3月時点では7人だけ。184人は受給を継続。辞退や親族に引き取られるなどした人も18人いたが、『失踪』や仕事を探さない『指導指示違反』などで保護を廃止された人は90人に上った」という。これだけを見て「派遣村のこうした実態は、現状の生活保護の制度が必ずしも自立に結びついていないことを改めて浮かび上がらせた」というのは短絡的だろう。派遣村だけではなく、全体のデータを出してもらわないと。「働いて生計を立てられるようになったのは09年3月時点では7人だけ」というのも、根本は仕事がない(求職しても落とされることを含む)ことのはずで、生活保護の問題ではないからである。
 
生活保護受給の推移」というグラフによると、1951年度より若干上回った人数が生活保護を受給しているらしい。しかし、「統計局ホームページ/日本の統計―3 総人口の推移」(2011年11月8日アクセス。http://www.stat.go.jp/data/nihon/g0302.htm) を見ると、現在は1951年(昭和26年)より人口が多いので、全人口における受給者の割合がかつてないほど増えたわけではない。
 
もっとも、読売新聞の記事も悪いところばかりではなく、「『今の日本では一度レールを外れると復活できない。中高年だと、落ちるところまで落ちてしまう』」(1面)だとか、「『失業者に対する支援制度が不十分で、派遣社員など不安定な働き方の人が仕事を失うと、一気に生活保護まで行ってしまう現実が社会的に認識された』」(13版39面)という、湯浅誠さんの真っ当な見解も載っている。なぜ真っ当なのかというと、たとえば、貯金10万円の人が、月収15万円の仕事と家賃3万円のアパートを目指そうとすると、(地域によって異なるが)敷金、礼金各2か月が必要として、初期費用は家賃5か月分なので、15万円かかり、貯金10万円ではアパートに入居できず、住所がないと仕事に就くのが難しいので、生活保護が仕方がないのである(湯浅誠/一丁あがり実行委員会『活動家一丁あがり!』(NHK出版新書、2011)p66、67参照)。もっとも、工夫の余地はあろうが。
 
13版39面の検討を続けると、「業種もえり好みしなかった」のは悪くないが、「えり好み」が悪いわけでもない(憲法第22条参照)。「年齢のせいで面接さえ受けられない」というのは年齢差別であり、解消されるべきだろう。
 
読み進めると、「自治体関係者の間では『派遣村』の“副作用”を指摘する声も少なくない。生活保護を受けることへの抵抗感を弱め、受給者増の一因になったというものだ」とあるが、受給者増は「『派遣村』の」作用である。今まで生活保護を受けなかった人が受けるようになったのだから(もしそうでなければ、申請者増だけで終わる。これなら「『派遣村』の“副作用”」)、いいことのはずである。
 
生活保護制度に詳しい鈴木亘学習院大教授(社会保障論)は、『派遣村の時は、養ってくれる親族の有無などの調査が短期で済まされ、働く能力がある人も受給した。以降、これが各自治体で前例となり、申請増に歯止めがきかなくなったのではないか』と指摘した」とあるが、鈴木亘さんの学者生命が断たれる文章であった(生活保護受給申請に批判的トーンからすると、餓死まで行くかもしれない。ご冥福をお祈りいたします)。「『働く能力があ』」っても、活用して足りなければ、生活保護受給に問題がない(生活保護法第4条第1項)。「『調査が短期で済まされ』」は、「『働く能力がある人も受給した』」という問題ではなく、マンパワーの問題や、気候(冬)の問題だろう。
 
派遣村を批判してみたものの、誹謗中傷の類であり、かえって有害になってしまった。困った人の命などなんとも思わない(購読者にならないものな)読売新聞の考えが露わになった内容と言えるだろう。読売新聞関係者が死のうが何とも思わないが(こんな記事載せているんだもの)、困った人に「死ね!!!」という内容は、見ていて気持ちのいいものではないので、止めるべきだろう。