清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

菅直人 ダメは結論 ありきかな

福島第一原子力発電所の事故について、注目してしまった記事をまずは紹介。それは、読売新聞東京本社版2012年7月1日朝刊13版4面、中山詳三記者執筆、「政(まつりごと)なび 事故調に必要な『リアル』」(以下「政なび」と表記)である。

「政なび」では、「〈官邸は頻繁に介入を繰り返し式命令系統を混乱させた〉」などという、国会の事故調査委員会の見解(補足すると、『踊る大捜査線』(映画)のせリフト「同じような憤りを発している」という)につき、「すんなりと頭に入ってこない。結論に至る過程や根拠が十分に示されていない」だとか「『東電から的確な情報が入らず、直接対応せざるを得なかった』とする当時の政権幹部の主張を退ける理由も明確ではない」だとかと、疑問視している。

私の知るかぎり、菅直人・当時内閣総理大臣の過剰介入が問題であるという報道が多く、主流マスコミはそういう世論を形成したいのだと直感的に推測するが、その中では別の視点を出せており、なるほど、と思った。

別のところには以下の記述が。国会事故調査委員会の「委員長の黒川清氏は事故調発足前の昨年5月の講演で『原発事故では日本の強さと弱さがくっきり出た。現場は強い。上に行くほどダメになる』と断言した。『結論先にありき』と言われぬよう、5日に衆参両院議長に提出される報告書は事実に基づく丁寧な説明を期待したい」。

当ブログ「過剰介入 非難は意味が なさそうだ」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/53103804.html )では、「黒川さんは、読売新聞2012年6月10日朝刊13版3面「スキャナー」によると、安倍晋三内閣において「科学技術分野で助言を行う内閣特別顧問を務めた経歴を持」ち、「事故調の聴取では、菅氏や福島県佐藤雄平知事の発言を制止する場面もあった」という。黒川さんを始め、そもそも事故調査委員会自由民主党寄りで(「スキャナー」によると、「野党主導で設置」とのこと。ただ、これ自体が悪いわけではない)、菅さんのせいにするために、わざと発言を制止させた可能性を読み取れる」と書いた。実際菅さんのせいにしたいのかはわからないが、黒川清さんは、読売新聞の報道の限りでは、相当のバイアスをお持ちのようだ、と判断せざるを得ない。

ところで、古い話になるが、2012年5月18日0時からNHK-BS1で放送された、「BS世界のドキュメンタリー 福島ショック」(2012年、アメリカの作品。以下「福島ショック」)で、福島第一原子力発電所事故に触れつつ、原子力発電所をやめるドイツと、続けるアメリカを比較していた。ドイツとアメリカの比較は本エントリーと関係ないので福島の原発事故に絞ると、津波による電源全喪失が問題で、非常用ディーゼル発電機が高台に設置されていたり、バッテリーを格納する部屋が完全防水になっていたら、危機の多くは防げたと分析している。また、ホットスポットはあるが、放射能レベルはそれほどではなく、ガンのリスクも0.2%増えただけ(日本人のガンにかかる確率は「福島ショック」によれば30%)であり、また、政府当局は慎重を期して、年間20シーベルトの被ばく線量を基準に避難経路を決めたとし、根本から危機を分析し、政府に対しても冷静な分析のように感じた(正しいとは言わない)。なお、菅直人・当時内閣総理大臣の過剰介入の問題は、1秒もやっていないし、避難区域設定の批判も1秒もない(当ブログ「実際の 対応実は 最善だ」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/52031959.html )もご一読)。

海外メディア即正しい、というわけがないが、私の印象論では、日本のメディア、事故調査委員会、ともに、菅直人・当時内閣総理大臣が悪いという「『結論先にありき』」(「政なび」)の姿勢があるような気がしてならない。後世の人に役に立つような、根本からの分析を望みたい。

*タイトル敬称略