清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

デモだから 面会するの ダメなのか?

2012年8月23日の読売新聞の社説は「首相と反原発派 禍根残す面会パフォーマンス」(以下、「社説」と表記。 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120823-OYT1T00077.htm )。

社説によると、「野田首相が、首相官邸前で反原発デモを続ける「首都圏反原発連合」のメンバーと面会した」ことを「民主党政権の場当たり的な大衆迎合主義(ポピュリズム)を象徴する出来事」とし、「首相が短時間とはいえ、反原発団体と面会したことは禍根を残したのではないか」と評価している。

それでは、歴代政府は、市民団体と全く面会したことがないのだろうか? そんなことはなさそうだ。

本エントリーで転載した、朝日新聞デジタル「首相、脱原発派と面会意向 官邸前の抗議行動で」(2012年8月4日11時8分。上からアクセス)によると、歴代首相(内閣総理大臣)は「ハンセン病熊本訴訟原告団」や、「イラク人質事件の被害者」などに会っている。これらも「大衆迎合主義(ポピュリズム)」で「禍根を残」すことなのだろうか?

隣の2面には、政治部次長の村尾新一さんの「『声なき声』に耳を傾けよ」と題した文章がある。

それによると、「首相官邸前では、大小様々な規模の抗議活動やデモが日常的におこなわれて」おり、そのデモをしている人に会うのが気に入らないようだ。しかし、デモをしているからダメで、していないからいい、という問題ではないし、理由もない。ただの差別にすぎない。

「『声なき声』に耳を傾けよ」を読み進めると、「首相が国民の意見を丁寧にくみ取る必要性は言うまでもないが、議院内閣制をとる中で、国会審議や、政権与党・民主党議員からの要望などを通じて寄せられる声を踏まえて利害を調整し、国益の観点で大局に立って決断するのが筋だ」とある。

もちろん、社説と村尾さんの見解が違ってもよい。しかし、今回の場合は、「政権与党・民主党議員からの要望などを通じて寄せられる声を踏まえて利害を調整し」(「『声なき声』に耳を傾けよ」)ている。社説によると、「民主党の首相経験者2人が、面会の実現を首相に求めた(中略)鳩山元首相は首相官邸前のデモに加わり、「原発再稼働はやめるべきだと思う」などと演説した。菅前首相は反原発デモを「新しい政治参加のうねりだ」などと持ち上げ、面会にも同席した」とのこと。「『声なき声』に耳を傾けよ」の基準では、何にも問題ない。

所詮、自分の気に入らないことに駄々をこねているだけの社説であった。恣意的に「大衆迎合主義(ポピュリズム)」(社説)を使ったのもまずい。たとえば、死刑に犯罪抑止力があるとはいえないのに、8割の国民が支持していると言われる死刑について、「大衆迎合主義(ポピュリズム)」(社説)と批判したのを見たことがないので、恣意的な駄々こねにすぎない読売新聞社説だった。