それに関連して、読売新聞東京本社版2012年8月28日朝刊13版38面に「『正社員』諦める大学生」という見出しの記事がある。
「『正社員』諦める大学生」によると、「淑徳大(引用した記事の取材先。清高注)の担当者は『解雇や期間満了による雇止めなど雇用調整の対象になりやすく、賃金も低いのに、学生は深く考えずに就職活動をやめてしまう。卒業時まで頑張れば何とか正規雇用に繋がる』と学生に奮起を促している」という。しかし、この担当者、やることが間違っていますな。特定の労働者が勤務実績以外で「『解雇や期間満了による雇止めなど雇用調整』」や「『賃金も低い』」ことを不当とするべきで、今すぐ仕事をやめて血を流すことを勧めたい。記事には実名がないが、賢明で、実名があったら不測の事態が起きかねないくらいのダメ発言だった。
読み進めると「東京非正規労働者総合支援センターの藤原力・統括職業指導官は『大手、有名企業ばかりでなく中小企業も視野に就職活動をし、正規雇用に向け努力したほうが良い』と指摘している」という。もちろん、まだ若い学生が社会を知らない側面もある。しかし、アピール不足の中小企業も咎めるべきだろう。中小企業に目が行かないということは、中小企業は魅力がないと映っているわけで、中小企業だって悪いのだ。
全体として、学生だけを悪者にしているクズ記事であるが、求職・求人の関係が市場であり、当事者双方が選択できることを理解すべきである。