清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

たたき台 あんまり意味が なさそうだ

2012年9月30日13時56分に配信された朝日新聞デジタルの記事「扶養できぬ理由、親族に説明義務づけ案 生活保護めぐり」(上からアクセス)によると、「戦後最多を更新し続ける生活保護を見直すたたき台を、厚生労働省が28日まとめた」という。

ざっと見たが、意味のなさそうなたたき台である。以下、検討する。

「扶養できない理由の説明を扶養義務者に義務づけ」てどうするの?扶養義務者とのトラブルがあったらどうするわけ? 扶養義務者にこだわらずに、目の前の困った人を助ければいいだけ。

「高齢化や不況で生活保護受給者は増え続け、6月時点で約211万5千人。見直し案は、現役世代の受給者を念頭に、「就労・自立」を強く求める内容だ」としたら、これも意味がない。経済をよくすればいいだけだから。「希望以外の仕事や場所でも求職活動をしてもら」っても状況は変わらないだろう(人事に見抜かれるって)。

「低収入・短時間の仕事でもとにかく就労してもらうことを基本とする」と、非受給者の得にはならないね。最低賃金の見直しが行政にできること。労働者は受給者も仲間なのだから、賃金アップに血を流せ!

日本経済新聞電子版で補足しておくと(「生活保護、不正防止へ罰金引き上げ 厚労省が素案  自治体の調査権限も拡充」(2012年9月28日 20時53分。http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2805C_Y2A920C1EE8000/ )、「長期にわたり医療扶助を受けている受給者に、かかりつけ医とは別の医師に診断してもらう「セカンドオピニオン」を原則義務づけ」るとのことだが、別の医師に見てもらえば、結局医療費がかかるわけで、やはり意味がない。それをやりたければ、すべての患者に対して「国が医療機関に直接指導できるようにす」(日本経済新聞電子版より)ればよい(税金で運営している国ではやっているイメージがある)。そもそも「過剰な受給」があるとすれば、病気でどうしようもなくなれば生活保護になるが問題で、保険料が払えない生活保護の一歩手前の人にフォーカスを当て、その不都合をどう防ぐかを考えればいいだけ(私見は税金でやればよい)。

「野党などからは後発医薬品の使用の義務づけ」(日本経済新聞電子版より)って、野党の人って、人の命を何とも思ってないんだな。成分だけが同じなんだよね、後発医薬品って。つまり、効き目が同じとは限らないの。また、早く治れば医療費はかからないのだから、これも無意味である。

「医療費の自己負担の導入」(日本経済新聞電子版より)も、会計の違いでしかないはずだけど。

「食事の現物給付」(日本経済新聞電子版より)は現在の市場経済では無理だろう(癒着が生じかねない)。自立して欲しいのなら、非受給者と可能な限り同じ方がいいはずだが。まぁ、日常の細々したところまで現物支給にする不利益はありそうだし、それは考えたほうがいいと思う。

「生活費など生活保護費の支給水準そのものを引き下げ」(日本経済新聞電子版)は、最近の物価安ではありえなくはないが、生活レベルの向上も考慮しなければいけないし、そもそも最低生活費でもあるのだから(湯浅誠『反貧困』(岩波新書、2008)、安易な引き下げには賛成しないのが皆のためである。

たたき台作りなど簡単。捕捉率が低いのなら高めるようにすればいいし、扶養義務にとらわれないで受給させればいいし、GDPに占める割合が低ければ改善すればいいだけ(この部分については、日本弁護士連合会「Q&A 今、ニッポンの生活保護はどうなっているの?」参照。http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf )。