清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

生活保護 わかっていない 投書だな

読売新聞2012年12月16日12版11面の気流は、「談論風発 生活保護」。

 
何故か最近注目されている生活保護。それなのに、投書の内容はお粗末なのが多かった。以下、そのお粗末さを検討する。
 
1.「意欲失う「逆転現象」」
 
単純な話で、最低賃金を上げたり(民主党等連立政権は、1,000円にするつもりだったが)、交渉で上げてもらえばよい。「不正受給」はどんな制度でもあるに決まっており、取り締まればいいだけだし、「自己負担せずに診療」をやめても生活扶助の部分が増えるだけにすぎないし、実は、医療は、現物給付なのだ。だから、現物給付より、「自己負担」(現金)が妥当だろう。「支給する期間を限定」と言っても、たまたま仕事や能力がなかったら、死ね!!!と言うのかな?
 
2.「申請審査厳格に」
 
厳格らしい。『14歳からわかる生活保護』(雨宮処凛河出書房新社、2012)をご一読あれ、と言いたい。苦境に陥っていなければ、69歳(投書した人の年齢)にもなって『14歳からわかる生活保護』程度の本が買えないわけがないと思うが。
 
3.「国民的議論望む」
 
「「生活保護を貰えばいい」」という男性につき「こうした若者が増えるならば、日本の将来は暗い」だって。その弾性の誤解も知らないでいい気になって、大笑い。48歳(投書者の年齢)レベルの分別もないんだ。資産調査があったりして、簡単にはもらえないのだ。生活保護受給は、モノを失うリスクと隣り合わせなのだ。それを男性が知らなかっただけである。
 
4.「低い受給モラル」
 
「キャリアカウンセラー」の偏見全開! 「健康であるにもかかわらず、せっかく決まった仕事を2日勤めただけで簡単に辞めてしまう人もいた」って、どんな仕事なんだろう? 求職者が悪い、と言っている時点で、何にもわかってないんだね、で、大笑い。ケースバイケースなのに。求人側が問題がある可能性だってあるし。
 
「保護費をもらったその足でタクシーに乗ってパチンコ屋に行ったり、朝から酒を飲んだりする人もいるという」。そんな人は、健康ではなく、ギャンブルやアルコール依存症の可能性がある。「受給者も一定のモラル」とは全然関係ない。
 
5.「安易な失業理由」
 
4と同様の偏見がある。「保護費をもらう生活に慣れ、就職しても簡単に辞めてしまう人」? また求職者だけの責任にしちゃいました。ケースバイケースを一方当事者の責任だけにしてはいけないことすらわからない60歳って、どんな人生送ったんだろうねぇ。最近の高齢者は気が若いイメージがあるが、この60歳さんは、勉強もせず、耄碌しちゃったんだろう。
 
なお、付言。不正受給について。日本弁護士連合会「Q&A 今、ニッポンの生活保護はどうなっているの?」(http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf  )によると、「不正受給の割合は保護費全体の0.4%」(2ページ)だって。『14歳からわかる生活保護』に書いてある話だが、99.6%も適切に執行されている予算って、そんなにあるのか、という見解が妥当である。だから、不正受給に目くじらを立てる必要は現時点ではなく、取り締まればいいだけの話。